「フキは「イリーヌ」のような人生を歩むのか?」ルノワール うすたらさんの映画レビュー(感想・評価)
フキは「イリーヌ」のような人生を歩むのか?
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カンヌ映画祭の「ある視点」部門でカメラドール(新人監督賞)の次点に選考された、『PLAN 75』の早川千絵監督作品ということで、『メガロポリス』を差し置いて観に行きました。
リリー・フランキー、石田ひかり、河合優実、中島歩、そして、フキ役の鈴木唯といずれも確実な演技をしています。特に、鈴木唯はあと10年もすると、キミスイで鮮烈な印象を残した浜辺美波のように、朝ドラの主役になるんだろうな、と思いました。
初っ端から画面の陰影が強烈な印象を残すのですが、谷崎の『陰翳礼賛』にあるような日本的な美学を表現していて、それがカンヌ映画祭で評価された理由のような気がしました。
ストーリーとしては、起伏が激しかったり、大どんでん返しがあるというものではなく、思春期の少女らしい、何にでも興味を持つけど飽きっぽいところや、神秘的なものや死に関心をもって、ときとして思いついたことを行動に移してしまう、危うげな少女の日常を描いたものです。
細部にわたって緻密に計算されて作られた作品であると感心しましたが、一度観ただけではわからなかったところがいろいろあり、極めて難解な映画であると思いました。
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