「少女が見つめていたもの」ルノワール Eijiさんの映画レビュー(感想・評価)
少女が見つめていたもの
小学5年生の眼から観た大人と呼ばれる人間たちの行動はときに滑稽です。
不思議な事象を超能力と面白がったり、
小学生の書く作文に過剰に反応してみたり、
子どもの泣き顔を集めた動画を観賞してみたり、そんな夫との死別を淡々と受け止めてみたり、
素敵な家族として体裁を整えてみたり、
見えない何かを信仰してみたり、
電話で気の合う人を探してみたり、
懲りずに誰かを好きになってみたり。
たとえ、自分の親であっても理解に苦しむことがあります。
死を覚悟したような佇まいながら、仕事のことを考えながら病床を過ごしたり、何かにすがるように足掻く様子を見せたり。
そんな夫よりも仕事や段取りを優先させてみたり、その職場では言動を問題視されてみたり。
それでいて父母ともに、どこか奥深い場所で家族のことを考えていたり。
そんな大人たちが紡ぐ「社会」と呼ばれる環境を、少女はまっすぐに冷静に見つめながら上手に泳いでいきます。それは楽しんでいるようにも見えましたし、その眼はトランプの模様と数字を見透かすような眼差しでした。そして、どちらが大人なのか?と思えるような姿勢でした。
いろんな人間に出会い、多様な経験を積むことでたくましい大人になっていく未来が予想されるような締めくくりでした。
いつの時代の設定かとか気にならない空気感でしたが、途中YMOの「ライディーン」が流れた瞬間、小学校でこの曲をバックに行われた縄跳び大会が思い出されて一気に昭和に引き戻されました。
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