「純粋、爽やか、冷徹に大人の価値観、固定観念を揺さぶる」ルノワール HKさんの映画レビュー(感想・評価)
純粋、爽やか、冷徹に大人の価値観、固定観念を揺さぶる
タイトルの意図は不明だが、
映像が、光と影のコントラスト強く、やや粗めの質感も手伝って、
絵画的な見方、鑑賞の仕方を求められているようで面白い。
それは、全編にわたって一応の話の流れはあるけれど、セリフの無いシーンが多く、
観る人それぞれで心情を想像してくださいというようなスタンスからも感じた。
内容については、
子供の純粋な心、強い眼差しが、大人の矛盾や勝手な都合を冷徹に炙り出し、
生死も含めた固定観念や価値観に揺さぶりをかけてくるのが面白い。
物語の時代を数十年前に設定しているのは、
胡散臭い迷信や他人に依存してしまうそんな大人の弱さ、情けなさを強調する
キーアイテムが豊富なのが理由だろうか。
ラスト近くに女の子が手を振るシーンは、
まさしく相米監督の”お引越し”のオマージュのようで
少女の成長の暗示に対して、思わず”おめでとう”と言いたくなりました。
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