劇場公開日 2025年6月20日

「少女時代の最後の一瞬を捉えたような傑作」ルノワール ぱんちょさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 少女時代の最後の一瞬を捉えたような傑作

2025年6月22日
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鑑賞方法:映画館

80年代半ば、超能力やおまじないに夢中な小五女子の夏休み。子供のような、大人になりつつあるような、そんな中途半端な時期の日常を色鮮やかに切り撮る。
しかしそこには死と暴力と性の予感がある。死の予感に慣れ、死が生のすぐ横にあることを理解しつつあるいっぽう、性についてはまだ意識していない。
そんな少女の戸惑いと無自覚、危うさと残酷。少女時代の最後の一瞬を捉えたような傑作。
前作の「PLAN75」は社会派の傑作だったが、本作は叙情に振り切っており、こちらもまた素晴らしい作品になっている。
演者は本作でも皆素晴らしいが、父親役のリリー・フランキーと、主役の鈴木唯は出色!唯一無二の存在感だった。
観客を選ぶとは思うが、我々の年代(50代)なら分かるでしょう。必見。

ぱんちょ