「欧州映画風日本映画」ルノワール hiroishiさんの映画レビュー(感想・評価)
欧州映画風日本映画
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監督・早川千絵氏の少女時代の断片的な記憶や感性をコラージュ、或いは父の病を軸にストーリーづけした作品という印象を受けました。万人ねらいの商業映画ではなく、あくまで監督の感性のみの芸術作品であり、言い方悪いですが抑揚無く平坦で、言いたい事、感じて欲しいことは観る側の感性に委ねられるような、遥か昔「映画通」の人が見るヨーロッパ映画、を背伸びして観に行った頃を思い出しました。
中盤、ストーリーと関係無さそうな日本的映像や音楽が流された途端、「国際映画祭出典作品?」かと邪推してしまい、調べたらカンヌに出品されていたと知りました。そう知ると、ヨット上で踊るシーンも国際感演出のために無理に挟んだような印象。
ここまでくるとタイトルの「ルノアール」もカンヌが行われるフランスと、日本を両方意識したかと勘ぐってしまい、ここは主人公フキ(鈴木 唯)が夏休みで知り得た、経験した様々な事象からくる彼女の心境を表現した絵・画家(個人的にはルネ・マグリットとか、ジョルジョ・デ・キリコなどシュルレアリスム系)とした方が欧州の目から見る作品性も高まったのではないでしょうか。
余談ですが、撮影期間が長かったのでしょうか。鈴木 ”唯ちゃん”がだんだん鈴木 ”唯さん”になっていったのは、撮影中、彼女もフキと同じく色々と学び、成長したから? 特徴立った雰囲気はあったので今後に期待です。
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