劇場公開日 2025年12月26日

「戦闘に特化した豪華なCGなアニメ。封神演義ファンにおすすめ!」ナタ 魔童の大暴れ コレッキャ・ナイデスさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 戦闘に特化した豪華なCGなアニメ。封神演義ファンにおすすめ!

2025年12月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

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『ナタ 魔童降臨』の続編にあたる作品ですが、日本では配信もBDも無い為、1作目の鑑賞ハードルはやや高めです。
ただ、個人的には前作未視聴でも十分に楽しめました。

基本的には、封神演義の哪吒がベースになっています。
崑崙山(玉虚宮)を舞台に、太乙真人や申公豹といったお馴染みのキャラクターが活躍するため、封神演義好きには特に刺さる内容になっています。

<アクション>
本作最大の魅力は、宝貝(パオペエ)を駆使したガジェットアクションです。

電気を纏い、伸縮自在に変形する蛇腹剣「雷公鞭」、絡み合った装飾品が分離して敵を拘束する「九竜神火罩」など、封神演義の宝貝をここまでリッチかつダイナミックに映像化した作品は、なかなか無いのではないでしょうか。

高速の剣戟と宝貝による破壊描写を織り交ぜた戦闘は迫力満点で、特に「第二の試練」のシーンが印象的でした。
身体を電気に変えて水中を高速移動したり、水そのものを凍結させたりと、スピーディーかつ外連味の効いた攻防がテンポ良く描かれます。能力バトルとしての工夫も豊富で、見ていて飽きません。

CGはディズニー映画並みに豪華ですが、オリエンタルなデザインでしっかり差別化されています。
集中線を用いた感情表現など、漫画的な演出も取り入れており、手描きアニメのハッタリをCGで再現したような感覚も面白かったです。

<ストーリー>
物語の軸は、罪を犯して煉獄に閉じ込められた妖怪たちと、崑崙山の仙人たちとの戦争、そして哪吒自身の人間ドラマです。

異種族間の断絶や格差社会のメタファーといった要素も含まれていますが、根幹にあるのは、魔王の力ゆえに世界から抑圧されてきた哪吒が、その怒りによって運命を切り開いていくという、非常に分かりやすい構図です。

古典作品をベースにしているためか、前半はややテンポが遅く、2000年代を思わせる古めの演出が目立ちます。ただ、その分後半は怒涛のバトル展開が続き、一気に盛り上がります。

<気になった点と総評>
前半のテンポの悪さや、明らかに続編ありきの構成は少し気になりました。
またこれは仕方ない部分ですが、覚醒後の哪吒が「ギア2のルフィ」にかなり似ている点も、どうしても頭をよぎります。

とはいえ、アクションの完成度は非常に高く、特に封神演義ファンには強くおすすめできる一本です。
前作が観られないのは惜しいところですが、もし機会があるなら前作も、そしてこの先の続編もぜひ観てみたいと思わせてくれる作品でした。

コレッキャ・ナイデス
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