「先に前作を観ておけばよかった」ナタ 魔童の大暴れ おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
先に前作を観ておけばよかった
■ 作品情報
中国古典小説「封神演義」や「西遊記」に登場するキャラクターで、「哪吒太子」の名で知られる哪吒(ナタ)を主役に描いた中国製3DCGアニメ映画「ナタ 魔童降臨」の続編。監督・脚本:餃子。主要キャスト(声の出演):ナタ役に田村睦心、敖丙役に大塚剛央、李靖役に日野聡、殷夫人役に小林沙苗、太乙真人役に伊藤健太郎、申公豹役に福山潤。
■ ストーリー
天界の秘宝「混元珠」が「霊珠」と「魔丸」に分かたれ、魔丸の転生体として生まれたのが主人公ナタであり、霊珠の転生体であるのが東海龍王の息子、敖丙である。二人は親友となるが激しい戦いの末、肉体を失い魂だけの状態となる(おそらくここまでが前作のお話)。
本作では、師である太乙真人がナタと敖丙の肉体を再生しようと試みる。しかし、敖丙の肉体再構築は失敗し、敖丙はナタの肉体に憑依する形で蘇ってしまう。ナタと敖丙は、それぞれ本来の肉体を取り戻すため、そして魔王になる宿命を背負ったナタが迫りくる運命に抗うため、三つの試練に立ち向かうことになる。物語は、宿命に抗いながら自身の道を切り開こうとするナタの冒険と成長、そして敖丙との友情を描く。
■ 感想
とにかく息をのむような圧倒的な映像美に魅了されます。ストーリーも予想外のどんでん返しや意外な黒幕が登場し、最後まで飽きさせないおもしろさがあります。
しかし、正直なところ、この作品に関する基礎知識が全くなかったため、会話に登場する固有名詞の多くがわからず、序盤は物語の世界に没入するのが難しかったです。人名なのか、役職名なのか、はたまた施設名なのか、ちんぷんかんぷんで、前作を未鑑賞だったことが、人物相関や世界観の理解を阻んでいたように思います。
それでも、コミカルなシーンはふんだんに用意されており、お約束とも思えるギャグもおもしろいですし、これを繰り出す個性豊かなキャラクターたちが非常に魅力的です。物語が進み、さまざまな勢力とそのパワーバランスが漠然と理解できるようになってからは、俄然おもしろさが増してきます。
ただ、この映画の最大のウリである圧巻の映像は確かにすばらしいのですが、途中で集中力が途切れそうになるぐらいやや冗長に感じられる瞬間もあり、それが上映時間の長さにもつながっていると思います。そのため、もう少しコンパクトにまとめ、初心者にもわかりやすい構成になっていれば、さらにすばらしい作品になったのではと思わなくもないです。
おそらく続編も制作されると思いますので、その前に必ず第1作を観て、この壮大な世界観をより深く理解してから挑みたいと思います。
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