「粗が目立つが切り捨てられない不思議」6時間後に君は死ぬ kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
粗が目立つが切り捨てられない不思議
原作となった小説は読了済みだが、だいぶ前なのでほとんど覚えていない。だから原作にどれほど忠実なのかの判断もできず。あぁそんな話だったなと少しずつ思い出しながらの鑑賞だった。
この話のキモは、6時間後に死ぬと予言された人間がその言葉をどうやって信じるようになるのかと、誰が犯人なのかの2点に思える。前者に関しては、その前に何回か失敗しているくせに、不思議な能力を信じさせるための努力が足りなすぎるだろ!と思う。いきなり前に立ちふさがって「6時間後に君は死ぬ」じゃねーだろ。ここらへんは物語としてのインパクト重視の展開だから仕方ないんだけど。
ただ、誰が犯人なのかについてはかなり不満が残る。ミスリードが下手すぎる。これは映画(映像)としての作り方の問題と感じた。(犯人が誰かなんてことも原作読んでいたのに覚えていなかったけど)原作の問題ではないと思う。中盤くらいで、あぁ犯人がこいつなんてことはないよなと不安に感じていた人間が犯人でとてもがっかりした。深層心理で犯人を覚えていたのかもしれないけど。
犯人の最後の扱われ方もよくわからない。なぜあの人が一人で犯人を車に乗せて去ったのか(しかもわざわさ別の車に乗り換えたように見えた)。逃がすため?殺すため?続編につなげる気か?なんて思ってしまう。
いろいろと粗が目立つが、駄作と切り捨てられないのが不思議。もちろん名作とは言えないが、それなりに楽しんだ自分もいたりする。高野和明という原作者への思いもあってあまりひどい印象にならなかった可能性はある。他人には勧められないけど。
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