解放のレビュー・感想・評価
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思ったより普通の自画像
壁にぶつかりながら絵に向きあう画家の話。芋生悠さん自身が俳優業に悩んだ時期に着想した作品ということらしい。
画家は山深い川とアトリエを交互に行き来し、ひらひらと踊る謎の若い女性に出会ってインスピレーションを得る。やがてアトリエでも女性は踊り出し、逆に芋生さんが山で女性と踊るというように「解放」されていく様子が描かれる。
映画のあとはもう少し日常的な散策映像をバックにした芋生さんの朗読。自然界の光の粒子や、家族との触れ合いに感謝するような内容だったと思う(当日2本目の映画鑑賞となり、映像も心地よいせいか眠りに誘われ、記憶に自信がありません)。
内面世界の素直な表現ということなのだろうが、自然や女性の踊りによって心を浄化することに意外性を感じられず。芋生さんがもつ不思議さや凄みの「解明」は別の機会を待ったほうがいいように思った。
「2回目です。イベント上映」
懐抱と宿福
短編、モノクロ、台詞なし、そしてパフォーマンスと合わせて完成…粗筋を読んでもアート系の香り。
迷った末に、芋生悠の登壇に押されて観賞。
結果としては、やっぱり難しかったです。笑
小川未祐の存在や解放のきっかけが、深層心理のような内的なものか、大自然のような外的なものかも曖昧。
(恐らく前者なんだろうけど)
冒頭で刷毛を走らせる音が画とズレてる気がしたり、手を洗う音が複数の小石を擦り合わせたものに聞こえたり。
音響にはかなり拘ってそうに見えたし、気のせいなのか狙いがあるのか…
最後はでっかいキャンバスに、(それまで黒だったのが)白を塗り始める。
これはなんとなく分かる気がするのに、その後に、岩。
エンドロールが流れるまでにも間があるし、ポスターにも写ってるから重要なモチーフなのだろうか。
終映後のパフォーマンスは芋生悠による朗読。
これに価値がないとは言わないけど、ダンスか何かだと思ってたので生である意味が薄く感じた。
髪が短くなってたこともあり、劇中と同一存在でいいのかも迷ってしまう。
舞台挨拶は、ゲストが小沢まゆだったこともあってか半分くらい復興支援活動について。
芋生悠の芝居は好きだけど、監督としては保留かな。
劇音楽を小川未祐が、サウンドデザインを演者の2人がやってるのは素直に凄いと思う。
逆振り
閉塞感のある絵を描く女性が、渓流でとある人物に出会い変わっていく話。
全編モノクロで音声や音楽はあるけれどセリフなし。
登場人物2人…というか、1人と想像上の人物かな。
現実世界への影響の描写はないし、自分には解放と言いつつ、寧ろその逆方向の自分の世界の深いところに嵌まり込んで行っている様に感じた。
そして上映後にそのまま芋生悠による約15分の朗読劇に突入し、これは本編の続きかパラレルか?それ共関係ないのか?
…解放と祝福ということで、関係はあったけれど、やっぱり逆だよなと感じた。
それにしても少し前あたりから、自身の出ていない作品のトークショーなんかでも語っている姿をみかけたりして、なんとなく感じるものはあったけれど、芋生悠はそっち側に向かうのか〜………という感想。
食器世で手を洗っているのはなんか良かった。
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