Heart Eyesのレビュー・感想・評価
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良い意味で、良い具合にアホっぽい
「あっ! なんかB級ホラー映画が観たい!」と(割とよくある)発作が起きたので目についた本作を視聴。
目がハートに光る殺人鬼がバレンタインの日に表れてカップルを惨殺する、というストーリーで、アメリカはハロウィン、クリスマス、サンクスギビングと祝日ごとに殺人鬼が湧いてきて面白い。日本もやろう。勤労感謝の日の殺人鬼とか、昭和の日の殺人鬼とか。
閑話休題。しかし主人公はカップルではないのに襲われる。元カレの前で見栄を張り、同僚とキスしただけで襲われることになる。弁明したり(いろいろあって誤解が解けて)も執拗に襲われる。最初は手の込んだ飾りつけまでしていたが後々は大して独自の美学は感じないというか、最初は第二の『テリファー』を狙った映画なのかと思っていたがホラー・アイコンとしての魅力はそこまでなかった。種明かしはあの超有名スラッシャー映画と同じだし。
良い感じにグロ過ぎず、隠しすぎずのバイオレンスシーンだが、ここが適度に『アホっぽい』。貶しているわけではなく、スプラッターはグロ過ぎると欝々としてくるし、派手でリアリティが無さすぎると白けてくる。結構塩梅が難しい、と個人的には思う。
この映画では刺さるし取れるし穴も開くし、「いやそうはならんやろ」と苦笑いしながらも見た目のインパクトは確保しているので楽しめるレベルだと思う。
細かい映画ネタも多いが、有名どころばかりなのでそういう意味でも映画ファンの楽しめる映画だと思う。
疲れた夜に気楽に、お気に入りの飲み物と共に楽しめる映画だ。
色々な要素を楽しめるスラッシャームービー
冒頭でひたすら幸せそうなカップルを残忍な方法で殺害する目がハート型になっている殺人鬼。どうやらこの「ハート・アイズ」の凶行はアメリカ全土で話題になる程有名な話だそうで、各方面の報道機関がバレンタインデーに浮かれる街並みとは裏腹に神妙な面持ちで報道している。そんな中主人公は会社勤めなのだが、カップルを狙って人が殺されているというのに、「死」をテーマにしたバレンタイン向けの企画を進めており、社長はカンカン。「だって社長もGO出したじゃないですか…」なんて聞いてくれない。恋人もおらず、仕事もクビの危機、バレンタインに楽しむなんて夢のまた夢…という時に友人と行ったカフェで運命の出会いが。落ちたストローを同じタイミングで拾おうとして頭がゴツン!相手は鼻血を出してしまい、主人公は逃げるようにその場を後にするのだが、仕事でピンチの主人公を救うためにやって来たのはまさかの鼻血を出させてしまったあの人!
…全くもってホラー要素無しでここまで書いたが、本作の面白い所はズバリそこである。れっきとしたスラッシャームービーであり、見慣れた映画ファンにとってはどうってこと無い適度なグロ描写。何となく最期の展開も途中で予想出来てしまうものの、無駄なエロシーン等で変に尺を使うこと無くテンポ良く97分を有意義に使っている為、普通にホラー映画として面白いのである。
だが、こじらせ女子の主人公が王子様と出会うラブロマンス要素が物語のベースとなっており、終始笑いが入る展開である。分かりやすく物理的に笑わせて来る所もあれば、台詞でくすっと笑える所などかなり多かった印象である。本作には刑事役でジョーダナ・ブリュースターが"ショウ"という役柄で出演しているのだが、相方はなんと"ホブス"という名前であり、助け出された主人公に「ホブス&ショウって映画の?」と聞かれ、返答に困っているシーンには笑ってしまった。ラブロマンスとスラッシャー。全く異なるジャンルが上手く混ざり合い、お互いを消すこと無く上手いバランスで組まれた非常に楽しめる作品だった。ハロウィンの時期に公開され全米初登場No.1だった実力のある本作、特大ヒットとまではならずとも製作費14億円程度に対して興行成績は45億円程と普通にヒットとなった模様だ。日本未公開でひっそりと埋もれしてまうのはもったいなさすぎる。映画館で観ても全然良い作品だった。
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