劇場公開日 2025年5月30日

「秋が深まるとき」秋が来るとき TSさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 秋が深まるとき

2025年9月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

癒される

秋はもう来ている。
季節は秋真っ只中、静かに、しかし確実に晩秋に向かっている。主人公の人生の終盤を描く作品だということを強く印象づける。

孫から見た祖母というものは、無条件に優しく、自分の味方をしてくれて、ときどき人生にとって大事なことを教えてくれる。そんな存在というのが世界共通のイメージではないだろうか。孫目線でなくても、端から見ていてもそういう「お婆ちゃん像」があるように思う。
しかし、お婆ちゃんも人の子である。積み重ねた歳月の中で澱のように心の底に貯まったものが、ふとした瞬間に、かき乱され、浮き上がってくる。静かな佇まいの中で表現される感情の機微。ミシェルを演じたエレーヌ・ヴァンサンの深みのある演技力に魅了される。

物語は、静かに進んでいく中に、サスペンス的要素を織り込んでくる。正確に言うと、サスペンスっぽくも見えるし、そうでなくも見えるように作ってある。事件だった(犯罪だった)かもしれないし、事故だったかもしれない。意図していたかもしれないし、全く意図していなかったかもしれない。観客が、どう見るかで、この作品の印象も随分変わるように思う。キノコのように滋味深い、オゾン監督のマジック。

手作りの料理の食卓を囲むシーンが多かった。豪華ではないけれど、豊かさを感じた。
娘の幻影に導かれるように旅立ったミシェル。彼女が、この色づく森の中に溶け込み、同化していくようなイメージが最後に浮かんだ。

自分も人生の折り返し地点を過ぎ、老いや死というものを徐々に身近に感じ始めたからだろうか。怖さや、悲しみや、謎が解けないモヤモヤといったものは全く感じなかった。

ただ静かに、美しい秋の風景と1人の女性の生き様を見た。

TS
満塁本塁打さんのコメント
2025年9月23日

返信お気遣いありがとうございます😊。
確かに 深く考えずに 人生と秋の風景 ですよね。私も共感でございます。
私も
若干蒸し暑い 年度替わりの落ち着かない春🌸 よりも 『実りの秋🌰食欲の😂秋🍠🐟』が大好きです。
なんとか 秋 復活して欲しいです。失礼します。ありがとうございました。

満塁本塁打
talismanさんのコメント
2025年9月23日

レビューに心から共感いたしました

talisman
満塁本塁打さんのコメント
2025年9月23日

イイねありがとうございました。😊イイ作品ですよね。
昨年,一昨年 と日本には秋が存在しませんでしたが、今年は秋が🍂あるのでしょうか、
もうここ数年 11月末まで半袖でしたので、そろそろ秋を味わいたいです。失礼します。

満塁本塁打