「アイドルとファン/1人と1人の関係性が丁寧に描かれた作品」君がトクベツ ねねさんの映画レビュー(感想・評価)
アイドルとファン/1人と1人の関係性が丁寧に描かれた作品
映画とはそもそもそういうものなのかもしれないが、観る人の数だけ味わい方があり、同じ人でもどう観るかによって感じ方が毎回全く変わる作品。
“陰キャ女子と国民的アイドルのまさかの出会い”や“推し活”というのが表向きの要素ではありつつ、そのような言葉で括ってしまうのがもったいない、とすら思ってしまう。ただの“胸キュンラブコメ”ではなく、実際には、「アイドルとファンの関係性/1人の人間と1人の人間の関係性を丁寧に描く」ということにとにかく誠実な映画であると感じた。
個人的には、「自分の応援している人を“推し”という言葉で括られることに違和感がある」「そもそも別にアイドルには興味がない」という方にこそ、騙されたと思って観てほしいと思った。キラキラしたものを忌み嫌っている主人公や過去のトラウマから硬く心を閉ざした人物の心が、少しずつ優しくほどかれていく様が描かれていて、きっと多くの人が想像するよりも地に足のついた物語になっているからだ。もちろん、推しのいる方にとっては胸に迫るもののある作品なので、ぜひ観てほしい。
軽快なやりとりのシーンも多く、基本的には気軽な気持ちで見られるにもかかわらず、観終わった後にはじんわりと心があたたまっていて、それぞれの大切な存在に会いたくなるような、そんな作品だった。
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