「SF映画から怪獣映画へ」ジュラシック・ワールド 復活の大地 neonrgさんの映画レビュー(感想・評価)
SF映画から怪獣映画へ
ジュラシック・パークから始まった“恐竜復活”の物語が、本作でついに完全な怪獣映画へと舵を切った印象です。
舞台は、遺伝子改造された恐竜を放置したまま閉鎖された実験島。そこから現れたD-REXは、手が4本、骸骨のような顔を持ち、ヘリコプターを噛み砕くほどの巨体。もはや古代生物の復元ではなく、兵器的な“怪物”として描かれます。
監督は『ゴジラ』(2014)のギャレス・エドワーズ。演出は怪獣映画の文法に忠実で、古代遺跡のケツァルコアトルの巣や、光を使った怪物誘導など、東宝怪獣映画を思わせる場面も多く見られました。音楽にもヒッチコック風のサスペンス要素が加わり、映像と音の緩急で盛り上げます。
ドラマ部分はファミリー映画の要素が強めです。スカーレット・ヨハンソン演じる恋人を亡くした女性と、マハーシャラ・アリ演じる息子を失った男性が、恐竜の血液サンプル回収のため傭兵として行動。心臓病治療薬開発という大義と高額報酬が動機ですが、過去の喪失から家族連れを守る姿に変化していきます。赤ちゃんトリケラトプスを女の子がカバンに入れて守る場面もあり、大人から子供まで楽しめる配慮が感じられました。
悪役の企業人が強欲ゆえにD-REXに食われる展開はお約束ですが、それも含めて安心して観られる作りです。IMAXで鑑賞しましたが、日曜洋画劇場や土曜映画劇場で夜に観るのにちょうどいい温度感。深く考えさせられる作品ではありませんが、肩の力を抜いて楽しめる娯楽作でした。意外と記憶に残るタイプの映画かもしれません。
鑑賞方法: IMAX
評価: 66点
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