「【今作は、アイザック・アシモフのロボット工学三原則の設定を、欲望の為に変えた愚かしき男が受けた因果応報と、そしてロボットの自立を描くシニカルSF映画なのである。】」コンパニオン NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 【今作は、アイザック・アシモフのロボット工学三原則の設定を、欲望の為に変えた愚かしき男が受けた因果応報と、そしてロボットの自立を描くシニカルSF映画なのである。】

2025年10月7日
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鑑賞方法:VOD

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■人里離れたロシアの富豪のセルゲイの山小屋で週末を過ごすはずだった4人の男女、アイリス(ソフィー・サッチャー)ジョシュ(ジャック・クエイド)のカップル。
 パトリック(ルーカス・ゲイジ)と、イーライ(ハーヴィー・ギレン)のホモカップル。
 そして、セルゲイの恋人の振りをしてジョシュと悪事を企んでいたキャット(ミーガン・スリ)
 だが、愚かしきセルゲイがアイリスを、犯そうとした事から、ジョシュとキャットの企みは崩壊していくのである。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・冒頭のアイリスとジョシュとのスーパーでの出会いのシーンと二人でロシアの富豪のセルゲイの山小屋に到着するまでの幸せなトーンから一変する、セルゲイに襲われたアイリスが彼を刺し殺すシーンのギャップがマア、凄いのである。

・徐々に明らかになって行くアイリスが、ジョシュに買われた絶対服従のセックスロボットだという事実と、ジョシュとキャットが企んでいた、セルゲイの財産を奪う悪事。
 そのために、ジョシュはアイリスのアイザック・アシモフのロボット工学三原則の設定を変えていたのである。

・だが、その目論見は徐々に崩れ、ジョシュはアイリスを壊すために、アイリスに殺されたパトリックの代わりに、ナントロボットだったイーライを、自分に夢中にさせ、アイリスを殺そうとするのだが、その過程でキャットはイーライに背中を包丁で刺されて絶命するのである。

■今作を観ていると、結果的に、人間の欲望を満たすために良いように使われたロボット、アイリスのジョシュに対する復讐物語になっているのである。

<そして、ラスト。人間としての意識と自立心を持ったアイリスは、自分で車を運転して、自由な世界に向かって車を走らせるのである。
 今作は、アイザック・アシモフのロボット工学三原則の設定を、欲望の為に変えた愚かしき男が受けた因果応報と、そしてロボットの自立を描くシニカルSF映画なのである。>

NOBU