「タイトルなし(ネタバレ)」ジェイ・ケリー りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし(ネタバレ)
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60歳過ぎた大スターのジェイ・ケリー(ジョージ・クルーニー)。
イタリアの映画祭での功労賞受賞が決まった。
敏腕マネジャー(アダム・サンドラー)の画策によるものだが、ケリーは気に入らない。
撮影休みの間に末娘との休暇を楽しみにしていたが、娘は友人と欧州へバックパック旅行に出かけると言う。
末娘は、ケリーの身近に残った最後の家族。
功労賞を受けることを名目に、娘を追っかけるケリーのわがままな旅がはじまる・・・
といったところからはじまる物語。
旅の節目節目で、ケリーは過去を振り返る。
内省のロードムービーとも言える。
事前情報を仕入れていなかったので、敏腕マネジャーとの確執を描いた映画かと思ってました。
なので、観はじめて、鑑賞姿勢を軌道修正。
ちょっと戸惑ったな。
スターは映画の中で役柄を演じながら、加えて、スターという役柄も演じなければならず、本人は何処にいるのか。
そういうアイデンティティ模索。
だけど、ジェイ・ケリーの場合は、本人の延長線上に、スター・ジェイ・ケリーがいたようで。
道中、ドンドンと人が離れていく様子が可笑しい。
映画の撮影においても、演技のいいアイデアが出ても撮り直してもらえないように、人生も2テイク目はない。
そんなことに気づく。
まぁ、成功者の内省・過去への追慕、それに類する映画は、個人的にちょっと苦手。
身勝手な自分に気づく身勝手さ、みたいな感じとでも言うのかしらん。
皮肉な物語が多いように思うノア・バームバック監督だけれど、実のところは少し優しいんだろうな、と思う。
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