フランケンシュタインのレビュー・感想・評価
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尽きない命の哀しさ
我々は人間になった
こないだ鑑賞してきました🎬
ヴィクター・フランケンシュタイン博士にはオスカー・アイザック🙂
彼は己の欲に取り憑かれ、ついには本当に命を創ってしまう。
しかし、そこから運命は狂い出す。
彼の欲望と抱える葛藤、そして自分の行いに対する複雑な心情。
それらが目に宿ったアイザックの演技は秀逸でした。
ヴィクターが生み出した怪物にはジェイコブ・エロルディ🙂
つくられた存在でありながら、少しずつ学習していく。
そして人と世界を知っていく様は、見ていて感慨深かったです。
エロルディの演技は抑えていながらも味があり、怪物の心情をちゃんと表現していました。
ヴィクターの弟ウィリアの婚約者エリザベスにはミア・ゴス🙂
「マキシーン」
での暴れっぷりはどこへやら、今回は深窓の令嬢に😳
どこか無機質さを感じる雰囲気と、かと思えば人間らしさが溢れるようにも見える独特の魅力は健在でした👍
これは結構有名な話だと思うので、結末も予測できるという中での映画化。
しかしながら怪物の心理描写は丁寧でわかりやすく、共感できる部分も🤔
俳優さん達の演技もそれぞれ個性が光っている印象で、完成度は高いです。
原作小説を読んだ方なら、この世界をより楽しめるでしょう🫡
数々の悲劇の行くさきに
やはりデルトロ監督は登場人物の内面の美しさを描くことに長けている。心なしか、なんだか怪物も徐々にイケメンになっていくし。
ゴシック色の強い世界観を作るのもとっても上手だ。バイオリンの壮大なメロディが溶け込んでいる。
フランケンシュタインの物語、怪物の物語、そして二人の邂逅の物語。出生から語るのでその分長くなるのも仕方ない。そしてその分感情移入もしてしまう。
父を嫌っていたフランケンシュタインも血は争えないか。生まれて怪物と言われ虐げられた彼の気持ちは計り知れないだろう。何者でもない自分に生まれた感情はなんなのか、何のために生きるのか。
それでも数々の良き隣人に出会い、前を向くことになるラストのカタルシスが心地よかった。
最後は心がほっこり&悲しい
怪物の悲哀がよく出ていた
2025年劇場鑑賞309本目。
エンドロール後映像無し。
ネトフリ作品なので当然パンフ無く減点0.5。
何度も映画化されてきたけど意外としっかり観たことがない気がするフランケンシュタイン。アイ・フランケンシュタインみたいな派生映画は見ているのですが。話自体は子供の頃小説を読んでいてなんとなく覚えています。
子供心に怪物が人の心に触れて優しくなれるチャンスもあったのに、別の人間のせいで結局殺人鬼みたいになっちゃって可哀想だな、と思っていて、それはこの映画でも描かれていました。それに加えて死ねない体というのがあって、永遠の孤独に耐えられない、という怪物の主張がよく分かるようになっていました。
フランケンシュタイン博士の回想と、怪物の回想の二部構成になっていて、後半は面白かったのですが、博士の回想の怪物に対する態度がキツすぎてちょっとしんどかったです。博士も最初は怪物に優しかったイメージがあったので・・・。
あと、優しいミア・ゴスを初めて見ました(笑)
もっと観られていい映画
現代のプロメテウス
メアリー•シェリーの原作とは別物でした。なので、キャラクターを借りたスピンオフとして観れば面白いと思います!安心感とポップさ、画作りの丁寧さが好感でした。
原作からストーリーが大きく変更されていました。原作では子供の殺害があるので、そのままでは映画化にハードルがあったのでしょうか。女性への恋心の芽生えと殺害に至る心理的変遷は原作通りのほうが面白いと感じました。映画では船長が過度にマッスル化されておりそれも避けて欲しかったです。最も違和感があったのは、クリーチャー(怪物)の独白で「創造の責任とは何か」ということがあまり語られておらず、そこはこの原作の美しさの頂点だと思いますのでぜひ真正面から描いて欲しかったです。
何か惜しい
美しくも悍ましい装丁の文芸ゴシックホラー
B級ホラーの誉れ高いハマー・プロの『フランケンシュタインの復讐』、メル・ブルックスの爆笑コメディ『ヤング・フランケンシュタイン』、ケネス・ブラナーのシェイクスピア風『フランケンシュタイン』と、様々な切り口の映画を観てきたけど、構成、映像、美術、衣装、キャラクターの造形までガッチリ隙もなく作り上げたフランケンシュタインものの真打ちとも言える作品です。監督のギレルモ・デル・トロは、冒頭の北極海のスペクタルなシーンで作品世界に一気に観客を引き込みます。一転して、主人公のヴィクターの屈折した幼年期を丁寧に描き、さらに彼の歪んだ人格形成とその後の狂気に満ちた実験に邁進していく様子を、時折りグロテスクな描写をはさみながら見事に描いていきます。また、生み出された怪物が自我と知性、そして人間性に目覚める設定も素晴らしく、作品としては創造者と怪物、父と息子の関係に例えた、近親憎悪と赦しのドラマのように思いました。役者では、オスカー・アイザックが、傲慢で嫌悪感すら感じさせるヴィクター像を演じ切っています。怪物役のジェイコブ・エロルディの、ただの有機物から知性を備えるまでの繊細な演技に感心しました。次回作が、なんと『嵐ヶ丘』のヒースクリフとは、期待大ですね。怪物ヴィクターを生み出す父親役は、フランケンシュタイン博士役で有名なピーター・カッシングのような風貌だったけど、名優チャールズ・ダンスでした。
傑作フランケンシュタイン
メアリー女史の原作を元につくられた様々なフランケンシュタインを観てきたけど、これが最高傑作。
生命創造と言う神の領域を犯したヴィクターと、創り出された新しい生命。
新たな不死という設定をのせられてしまった事で永遠に苦しみから逃れる事のできない怪物のこの先の人生の悲しみと同情の思いが倍増して泣かさせる。
互いに父と子なんだと認めるラスト。
そして歪んだ命でも地上に産まれた立派な命なんだと、呪いから開放されて祝福されているかのような神々しい日の出の太陽。
こらからも沢山の苦しみを味わうだろう彼の長い人生で、この日の景色が永遠の救いになるだろうエンディング。
怪物だけでなく誰の人生にも苦しみと喜びがある。自らの人生に重ねられる景色がそこにあった。傑作をありがとう。
はぐれ者への優しいまなざし
知っている古典がモチーフなためか、めちゃくちゃ新しくてヤバイ!という印象はありませんでしたが、社会から受け入れられない怪物的なはぐれ者への優しいまなざしに、いつものデルトロみを感じました。生みの親であるフランケンシュタイン博士に殺されかけ、命からがら逃げ込んだとある農家で、おじいさんに頭を撫でてもらう孫をみて、自分で自分の頭を撫でてみる怪物が切ない。彼がおじいさんのもとで本を読み言葉を覚え成長していくところがよかった。
エリザベスは多分あの時代にあって生きづらい女性だったと思うんだけど、おそらく結婚にも消極的で、怪物のことはどのような目線で愛していたのだろうか。同じ異端としてのシンパシーを感じていたのだろうか。そのあたりはちょっと分からないままでした。
ヴィクターの母や天使に使われる象徴的な赤い色、怪物に命が宿る際に口から心臓を駆け抜ける視点などはゲーム「デスストランディング」を思い出しました。作者同志も交流があるようですが何かオマージュ的なものがあったのだろうか。
ギレルモ的フランケンシュタイン
Netflix製作と言うので観れないなぁーと思ってたら、イオンシネマで公開されてるので、無事、鑑賞出来ました!
フランケンシュタインと言えば、ケネス・ブラナー監督とデ・ニーロ主演の作品が印象に残ってますが、今回、ギレルモ・デル・トロ監督作と言うので、これは見逃せないなと。合うに決まってるよ。
さて、物語はフランケンシュタイン博士の子供の頃から入る。そこで、何故「死なない命」を生み出す事に拘るか、を観せる。唯一心の拠り所だった母、彼女への思いが研究に没頭する事へとなり、そして、天才らしく、研究以外かわ見えなくなっていく。
そして後半は、怪物の物語へとシフト。怪物(赤子)から人への成長。この構成が見事!
そして、原点へとオマージュも上手く散りばめられている。
また、異形の者とヒロインの女性が心を通わすのは、この手の映画の定番なんだけど、ギレルモ監督は、「シェイプ・オブ・ウォーター」といい、ちょっと普通とは違う。女性自体が何だか普通じゃない。けど、だからこそ、異形の者に惹かれる理由が分かる!
(ひょっとして、監督の好みなのかな?)
観れて良かった!ギレルモ的フランケンシュタイン!
#フランケンシュタイン
最も美しい人造生命
ネトフリ製作なので観れないかと諦めていたが、ありがたいことに上映してくれたのでウキウキで鑑賞。『パンズラビリンス』以降、ギレルモ・デル・トロ監督のファンであります。
近年のフランケンシュタインはあまり観ていないが31年版、続編の『花嫁』はセットで大好き。
感想としてはとにかく題材と監督が相性ばっちり。今日ではゴシック・ホラーのイメージが強い『フランケンシュタイン』だが、今作ではより哲学的な、生命の意義というか『死は乗り越えるべきものなのか』そして『乗り越えてしまったらどうなるのか』という問いが描かれる。衣装やセットといった世界観の作り方も、デル・トロらしい誇張された舞台っぽさ、と言っていいのか分からないが徹底されていて力の入れようを感じた。
もちろん、良いほうに作用している。
主人公には赤色、弟の許嫁には緑色の衣装が多く緑が生へのリスペクト、赤が死への執着のようなメタファーなのかなと思った。
衣装そのものもすごく格好良く印象的だったが、クレジットロールでティファニーが出てきて驚いた。私のような門外漢でも分かるもんだね。
ストーリーは怪物に追われるフランケンシュタイン博士が自身の人生を語る形式で進み、後半で怪物の視点になる。このスタイルは意外だった。
結構長いというか、『これ纏まりきるのか…?』と少し不安になったが、様々な要素を含みつつ綺麗に、すっきり纏まった。怪物がこれからどうするのか、という点はすこし気になるが、画作り、シナリオ、キャラクターどれをとっても美しい映画だった。
解剖シーン、組み立てシーンなどグロテスクなシーンも多いので苦手な人は注意かも!
少し期待外れ
ネトフリの配信メインの制作なので上映館自体が限られていて、地元ではそこそこ遠方に出掛けないと観れないのでどうしようかと思ってたが、予告編のビジュアルとエリザベス役をミア・ゴスが演じると言う事で期待して映画館で鑑賞する事にしたが、少し期待した内容とは違った。
ビクターの幼少時からの環境による性格の捻れっぷりや、新たに知った科学的真理に対する心酔っぷりは流石の演技だとは思ったし、そこへ至る前日譚部分も多少冗長感はあってもゴシックな風景描写が十分間を持たせてるとは思ったけど、わざわざ「弟の婚約者」に横恋慕すると設定しドロドロ感を伏線したのにエリザベスの興味の対象をあっさりモンスター側に切り替えて物切ったのは勿体無いと感じた、ましてやエリザベスを演じるのが天然プッツン美女を演じさせたら一級品のミア・ゴスなだけに、もっとメアリー・シェリーが執筆時の人間関係(メアリー、夫シェリー、バイロン、メアリーの従妹、バイロンの男の愛人の5角関係?)みたいな人間関係の奇妙さみたいなのを表現してもよかったのにとは感じた。
妄執に近い人造人間への固執(若しくは死の克服に対する)を、出来上がった人造人間が知性を持たないと言う一点だけで失敗と断じて、あっさり捨ててしまうとか、観てる観客的には「それを捨てたら、キミのこれまでの人生で何が残るの?」って感じてしまった。
全体的なビジュアルや主人公の演技等が奇譚を示しているのに、肝心の中身が少女漫画志向だったのには違和感を感じた。
多少趣は違うが、ケネス・ブラナー版の方がインパクトは強かったと感じました。
名もなき怪物に心を寄せて
フランケンシュタインといえば、モノクロ映像の、継ぎはぎ跡の目立つ四角い顔の大男が思い浮かび、怖がりの私はその映画を見ようと思わなかったし、原作小説も読んだことがなかったのだが、トロ監督によるピノキオ(モーションアニメ)がとても感動的だったので、本作も見てみようと思っていた。ハロウィンシーズンに合わせたのだろうか、配信前に映画館で公開されたので観てきた。
思わず目をふさいだ残虐なシーンもあったが、演技はもちろん造形(皆さんも書いておられるように今までで一番美形のフランケン)、美術、衣装(布地を染めるところから始めたそう‼︎)、音楽を始め、映画全体に心象を反映した重厚な世界観が漂っていて見応えがあった。そしてヴィクターとフランケン、二人の心理を追ったストーリーテリングがエモだった。
ヴィクターは、富と名声を優先し自分と母に辛くあたった父親に復讐するために前代未聞の人間創造の試みを始めた。だが、新しい命を創るということは、人間である自分はその命の生みの親になることだと分かっていなかったことが、神をも畏れぬ倫理の問題以上に問題であり、悲劇のもとだった。「ヴィクター」と名前を連呼して後追いをしてくる姿は、体こそ大きいが、何も知らない赤ん坊そのもの。言語に代表される知性は、エリザベスのように愛情をもって我慢強く接しなければ育たない。でも、憎しみだけで愛情を知らないヴィクターには思いが及ばずフランケンを知性のない怪物だと決めつけ地下に幽閉し、自分が父からされたように虐待し、フランケンの存在も自分がしたことも無かったことにしようとした。
フランケンのほうは痛い目に遭いながらも人間の情愛を知り言葉を覚え人並みに成長するが、自分の出生の経緯を知って絶望する。そして仲間が欲しい一心でヴィクターに会い行っただけなのにヴィクターは逆上し悲劇が始まる。
ヴィクターが逝く前に親子として分かり合えたのは救いだったが、残されたフランケンはこのままずっと一人ぼっちで、人間に見つかったら怪物扱いで攻撃されて痛めつけられて、でも再生してまた、…と神がプロメテウスに与えたような永遠の罰を、罪を犯したのは父親ヴィクターなのに、彼が代わりに受けて生きていくのかな、それとも人間の原罪を背負って生きるイエスのような存在なのかな、どちらにしても辛すぎるなTTと、映画を見終わって思った。でも、いつかまた、ヴィクターとのやり取りを見守ってくれた船長や、色んなことを教えてくれて友達扱いもしてくれたお爺さんのような人達に巡り会えるかもしれないと思って生きてこう!と監督は言っているような気がして、私もそう思うことにした^^
原作に近くアカデミー賞を獲った『シェイプ・オブ・ウォーター』以上に良かった
人造人間の生命の創造よりも不死の苦悩を、そして憎しみよりも赦しを。ミア・ゴスの新たな一面が魅力的。他の配信作品も劇場公開して!!
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