「造形美が素晴らしい!一方で改変が気になる・・・」フランケンシュタイン コレッキャ・ナイデスさんの映画レビュー(感想・評価)
造形美が素晴らしい!一方で改変が気になる・・・
本作では、造形美や世界観のルックがとても魅力的で、まずそこに心を掴まれました。
継ぎ接ぎだらけでありながら、均整の取れた美しさを備えた怪物の肉体。その制作過程で描かれる臓器や四肢の精巧なディテールも見事で、さすがギレルモ・デル・トロ監督の手腕だと頷けます。
当時の街並みを丁寧に再現した美術、そして夕暮れの光に照らされる赤を基調とした死体実験室――死から生命を生み出すというアンビバレントなテーマと呼応する、生と死の美しさが共存したセットも印象的でした。
一方で、原作からの大きな改変はどうしても気になりました。
原作では、ヴィクターは真面目な青年として描かれ、嫉妬と孤独に狂った怪物が彼を追い詰めていきます。ヴィクターにとって怪物は“悪夢の具現”であり、二人は決して和解せず、虚しい結末を迎える――そこが作品の肝だと思っています。
しかし映画版では、ヴィクターも“怪物”として描かれ、性格が逆転。物語は互いに許し合うという優しい着地を迎えます。この改変自体が悪いとは言いませんが、原作と比べるとどうしても甘さが際立ちました。また、ヴィクター・エリザベス・怪物といった彼らのキャラクター性の大幅な変更も受け入れにくく感じました。
さらに、映画版ではお互いを“家族”として認め合う方向に向かうのに、ヴィクターが怪物に名前を与えない点も気になりました。そこを踏み切ることで、より深い物語になったのではないかと感じます。
中盤までは非常に惹きつけられたのですが、それ以降は物語に入り込みづらくなり、総評としては「良い点が多いが、手放しで絶賛には至らない」という印象です。
とはいえ、映画としての完成度は高く、モンスター映画の美学を現代映像で見事に再構築していたことは間違いありません。可能であれば、吸血鬼など他のゴシックホラー作品も、この美術力で実写化してほしいと思うほどです。
