劇場公開日 2025年10月24日

「ただただ悲しい物語」フランケンシュタイン ふたり映画さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 ただただ悲しい物語

2025年11月11日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

 良くも悪くもデルトロ監督作品。
 命をつくるということは命を育てるということ。それを知らなかったビクター・フランケンシュタイン。ただただ悲しい物語だった。人の尊厳なんてない。時代背景もあるんだろうけど、階級制度と貧富の差が激しい時代だからこそできた非道の行い。古典文学なんだから道徳心や倫理を説いたって意味がないことは分かっているけれど、見てる側は不快になってくる。ビクター自身が罪を自覚していないことも悲劇につながっている。だからこそ、ビクターの弟の最後の言葉が凄く印象的。女性キャラも原作通りなのだろうか。彼女が一番理解できなかった。デルトロ監督のラブストーリーは理解に苦しむ心情が多くあまりにも脈略がなくて苦手です。画を一つ一つ切り取ったらとても美しいカット場面になるだろうけど繋げたらなんとも歪んだ人間模様が見えてしまった。
 ”怪物“と老人とのシーンがほんとうに切なくて心が痛い。鉄砲で簡単になにかを打つという行為もこの時代の価値観がよく垣間見える。だからこそお爺さんの優しさがこの物語の中で一番美しい姿に見えました。しかし長い。面白かったら時間は気にならなかったけど、苦痛を感じ始めたらもうダメですね。好きなタイプの物語のはずなのに、鑑賞後はどっと疲れを感じてしまった。

コメントする
ふたり映画