「言葉と人格」フランケンシュタイン ひろちゃんのカレシさんの映画レビュー(感想・評価)
言葉と人格
聖者となった彼が邪悪を許して魂を自己犠牲的に救済する、といういかにもキリスト教文化圏テイストがやや鼻につくが、まあ展開上仕方ないか。
言葉で意思表示出来ないからとヴィクターは彼の人格を認めず“it”呼ばわりして切り捨てようとする訳だが、こういう態度は、映画にもなった知的障害者施設の大量殺人事件を思い出させる。また、死ねない事の苦しみが本作の重要な題材なのだが、これは例えば医療現場で、口のきけない末期患者に何が何でも延命治療を続けようとする医療者と何が何でもそれを望む患者家族が、病苦から逃れる最後の手段としての死を本人が望んでいるかも知れないのを一顧だにしない事と繋がる。つまり、蛇足になるが、意思なき者は語らないが、語らないからといって意思がない訳じゃないのだ。
作中では彼が言葉を獲得する事で自我に目覚め、人間として認められていくのだが、では語れない者の意思を確かめる方法は?などと考え始めたらちょっと眩暈に似た感覚に襲われてしまった。
まあ、監督の意図からは外れてるんだろうな。
クリストフ・ワルツはタランティーノ作品中の人を食ったような役を見慣れているので何だか新鮮、ミア・ゴスはこういう役できるのかとちょっとびっくり(声がハスキー過ぎるかも知れんが)。
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