「どちらが怪物なのか?」フランケンシュタイン めるさんの映画レビュー(感想・評価)
どちらが怪物なのか?
正直、ファンタジー系はあまりみないジャンルなんやけど、ハウスオブダイナマイトの時に予告で心惹かれたので期待値高めで観に行った。
死者を生者にすることに取り憑かれた男。実験はうまくいくものの生み出した後のことを考えておらず…
タナトフォビア(死恐怖症)という言葉もあるが死ぬことに対して恐怖心を持っている人間は多い。というよりほとんどの人が少なからず恐怖心を持っているのでは?未知のことに対して恐怖心を抱くのは生存本能もあるんやろう。わからないことを知りたいと思い探究し続けるのは自然なことかもしれない。
様々な死体を組み合わされ出来上がった怪物は、心もリセットされ誰よりも純粋で思考する人間より人間らしい存在となった。一方のヴィクターは父が自分の一部であった母を殺した(疑惑ではあるが)という事実により人間という生き物に期待しなくなった。皮肉にも人間を信頼していない人間から純粋な怪物が生まれたのである。
伴侶がほしいと訴える彼の眼差しは胸が痛くなる。生きる意味とは?死からの復活は果たしてその人の尊厳を傷つけることにはならないだろうか?そんな倫理的な問題にまで踏み込んで描いた力作。ギレルモ監督の作品は異形のものはただ気持ち悪いものではなく、意思を持っている純粋で優しい存在として描かれることが多い。ルッキズムへの警鐘もあるのかな?
余談やけど、本作のミアゴス…眉毛があった!!パールからの振り幅!やっぱり好きな女優さんやわ〜
めるさん、フロイトも読んでますね。っていうかやっぱり観た!自分はヴァンパイア&フランケンどんだけも観たのでもういいかな~一番心に残っているのは、94年?コッポラ制作デニーロ主演のやつで『何故造った!』の台詞が痛切だった。

