「眠気を吹き飛ばす、生々しくも幻想的な映像体験」フランケンシュタイン 画面の旅人さんの映画レビュー(感想・評価)
眠気を吹き飛ばす、生々しくも幻想的な映像体験
上映前、少しの眠気を感じていたにもかかわらず、始まった瞬間にその意識が一気に覚醒した。
それほどにこの『フランケンシュタイン』は、映像の力で観る者を引きずり込む。
冒頭で起こった出来事を軸に、そこから過去へと物語を広げていく構成は巧みで、まるで“出来事の真相を紐解く旅”のように展開していく。
時間の流れを行き来する語り口が、観客の興味を常に引きつけ、眠気など吹き飛ぶほどの没入感を生み出していた。
久しぶりにファンタジー映画を観たが、改めて近年のメイクや小道具のクオリティの高さに驚かされる。
血肉の質感、縫合の跡、そしてラボの湿った空気感に至るまで、すべてが異様なほどリアルで、まさに“生命と死の境界”を目の前で見せつけられる感覚だ。
特に死体を解剖・再構築するシーンは、思わず目をそらしたくなるほどの生々しさ。
このリアルさは単なるグロテスク表現ではなく、“生命を創る”という禁断のテーマを観客に突きつけるための演出として機能している。
物語全体に漂うのは、恐怖と哀しみ、そして創造の狂気。
それらが織りなす映像の連鎖は、単なるホラーではなく、「生きること」そのものを問うファンタジーとして心に残る。
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