「死と仲良しになる為に。」終わりの鳥 ふくすけさんの映画レビュー(感想・評価)
死と仲良しになる為に。
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死と鳥
そういえばヤマトタケルは白鳥になって死出の旅に出た。
She needs die.
鳥が一端焼かれ、母に喰われて再生する間に、世界から死がなくなる。
生首の犬や足の切断された男、首の千切れた小鳥、焼けただれた男が、死ねないでいる。
人間の思うような神はいない。
でも来世はある。
子を亡くした親の想いと共に、子が生き続けることが来世だと言う。
抽象的でなくリアルなあり方として来世が描かれる。
仏教的でもある。
しかし、全体を覆う死生観は東洋のものと微妙に違う。
母は狼狽し、ジタバタし、抗う。
娘は、死を受け入れている。
鳥の邪魔をするなという気持ちと、母の態度も当然だよなという想いがないまぜになって、それが良い。
死は救いである。
このメッセージ自体はそれほどの大きなインパクトでは無いが、その語り口はユーモアを含み、ラップにのり、飄々としてかつ軽くならない。
苦しみを無理に永らえさせて生かし続けることは虐待であるという北欧的な感覚も感じた。
死と仲良しになる。
この映画の感性は出会ったことが無い。
ラップが、要約出来ない空気感をよく反映していて良い。
監督は、クロアチアの若い女性。
クロアチアはセルビア難民を多く生んだ戦闘の絶えない国であった。
原題はTuesday。
このタイトルて何か死を想起させる隠れた意味があるのだろうか?
わからなかった。
追記
このような記述を見つけました
キリスト教では、イエス・キリストが十字架にかけられる前の週の火曜日を指します。この日は、イエスが自分の死を予言した日として重要視されます
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