「タイトルなし(ネタバレ)」終わりの鳥 りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし(ネタバレ)
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イギリスの小さな街。
余命僅かな15歳の少女チューズデイ(ローラ・ペティクルー)。
母親ゾラ(ジュリア・ルイス=ドレイファス)は、仕事もやめ、家財品を売って糊口をしのいでいた。
仕事をやめたのは、娘のことが気になって、仕事が手につかなくなったからだろう。
娘の介護は看護師に任せて毎日出かけるが、無為な時間を過ごしている。
ある日、チューズデイの前に一羽の鳥が現れる。
それは「デス(死)」と名乗る途中で言葉に詰まった。
多くの死を人々に運んできたことで、汚れて疲れ果ててしまったのだ。
チューズデイは、そんな鳥に深呼吸を進め、身体の汚れを落とすように勧める・・・
といったところからはじまる物語で、独特な雰囲気を持った作品。
死と慣れ親しむ少女と、頑なに娘の死を拒絶する母親。
くだんの鳥を見つけ、その意味を知った彼女は、終わりの鳥を食べてしまうことで、娘を死の淵から救ったと思ったが・・・
というこの後の展開、こりゃブラックユーモアだね。
欧米と日本の死生観の違いをまざまざと感じて面白いと思いましたが、「なんじゃ、こりゃあ」というひとがいても不思議ではないかな。
終盤、もうひと展開あって、娘と母の物語に収れんしていきますが、娘の死後の生き方・意味は、生きている者の生き方によるのだというあたりに感銘を受けました。
見た目だけの作品だと高を括っていましたが、鳥は鷹ではなかったからなぁ。
なお、エンドクレジットでロトスコープアニメーションのスタッフが何人を列挙されており、もしかして鳥は手袋はめたパペットをロトスコープアニメ化したんではなかろうかなどと思った次第。
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