劇場公開日 2025年4月4日

「まあ、この鳥ならついて行ってもいいかな。」終わりの鳥 iccoさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0まあ、この鳥ならついて行ってもいいかな。

2025年3月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

全く予想もしなかった展開の中、出来事がもたらす結果がちょっと昔話的に感じるくらい自由。

これは、あるママが賢くて勇敢な娘の死を受け入れるまでの、成長物語。
受け入れ難い現実を、デスを通して見ざるを得なくなったママ。死を巡る旅は彼女の心にどんな変化をもたらしたのか。
自分の死を自覚するだけでも怖いだろうに、ママがそれを受け入れるまで待とうとする、Tuesday の健気さに泣く。

死神の苦悩も存分に描かれていた。
常にノイズが脳内に響いている上に、世話してやってる人間からは、かけられる言葉が呪いのようにドス黒い感情を含むものばかり。あれは頭おかしくなるよ。
チューズデーに促されるままに汚れを洗い流したことで目に見えて浄化されたのをみて、こちらもなんかスッキリした。
あのベタベタはドス黒い感情が視覚化したもんだよなあ。
死神が鳥なんて嫌だ!!
私の時はイ・ドンウクにしてくれ涙!!と思ってたけど、鳥も意外と良いやつで、観ているうちにこの鳥が好きになってくる不思議。

どんなものでも命には限りがある。
お迎えに来てくれる死の予感が、こんだけユーモアに溢れた優しい何かなら、まあいいかなと思ってしまった。
うん。
音楽もカッコよかったし、話も死神のビジュアルも含めて新しくてよかった。
良い映画だ。

icco