「思わせぶりなテルマ&ルイーズで引っ張るボニー&クライド」KIDDO キドー カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
思わせぶりなテルマ&ルイーズで引っ張るボニー&クライド
あのお顔からして、テルマ&ルイーズのスーザン・サランドンを連想させるオカン。
どこまでもついてくる謎の少年も面白い。テルマ&ルイーズのブラピ的なカンジ。
彼が言うようにたしかにルーの母親はクレイジー。
ルーちゃんはとても可愛くって、レオンのナタリー・ポートマンや鼻筋の感じからは若い頃のサンドラ・ブロックを思わせる美人さん。
ちっちゃいガラガラヘビのヘンクを飼っている。エサはどうしているのかとても気になってしまった😅
オカンがやってることはホボホボ犯罪なのだが、監督の眼差しは優しく、ショーン・ベイカー監督作品風。35歳のオランダ人新人女性監督サラ·ドビンガーの脚本センスや映像センスはむしろ上かもしれない。劇伴のセンスもとてもいい。
母親のカリーナがいうセリフ。
罪悪感っていうのは他人を貶めるために人間が作った言葉。
娘を自分ひとりで育てる経済力がなく、精神的にも未熟で不安定なのは自分でも分かっている悔しさがにじみ出ている。
彼女もまた母親の影響による問題を抱えたままもがいている。
左手の指の骨折はたぶん誰かを殴って負ったものだろう。会いに来るのが①日遅れたのは娘に会いにいくと誰かに言ったために、今さら?なんて罵られ、トラブルになったのかもしれない。
最後、児童養護施設に停められたクルマ。ルーが目を覚ますと、カリーナの姿はない。置き手紙にはトランクのお金はみんなあげると。
映画の冒頭、真夜中に大型スーパーのカートを押して歩いてゆくカリーナのシーンにつながるのだろう。
そして、いなくなったと思っていたヘンクがクマのぬいぐるみのホツレから顔を出す。
ヘンクが脱皮した抜け殻をルーが見つけるシーンがあった。
ヘビの抜け殻を財布に入れておくと、お金が貯まるそうだ。ルーとカリーナに幸あれ。