プロフェッショナルのレビュー・感想・評価
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70年代アイルランドの政治的背景を見事に反映させた一作
原題は"In the Land of Saints and Sinners"「聖人と罪人の地で」。
日本側の広告・宣伝の影響もあるのだろうか、「プロフェッショナル」というタイトルでつけられているが、原題を理解した上で鑑賞するのがおすすめであろう。その事もあり、4.5という配点をつけた。
本作は、70年代アイルランドで起こった爆破テロをベースにした場面が描かれており、アイルランドの歴史的・政治的背景を見事に反映させている。また70年代当時のアメリカの状況も「音楽」の観点からも再現されている点も素晴らしい。
キャスト陣もアイルランド出身の俳優を起用しており、当時のアイルランド史を忠実に再現しようとしたロバート・ロレンツ監督の「本気度」が見て取れる。長年クリント・イーストウッドと共に映画業界を牽引した事もあるのだろうか、本作は現代版西部劇の様相も伺える。
近年において、日本ではこのような映画が映画館でほとんど公開されていないまま、動画配信サービスやレンタルビデオ店などの形で提供される事が主流になっている。ところが、本作が日本の映画館で公開されている事をはじめ、映画を通じて過去の「歴史」を体感できる。そのような観点から、映画館で本作を鑑賞することをおすすめする。原題の意味を理解した上で鑑賞するとなお良しだろう。
あ゛-面白かった。でもさぁー.....┐(´ー`)┌
お金は 迷惑かけた隣人にも 少しあげようよ。
多分 受け取らないかもだけど その時は 車の窓から
まき散らそう。(^_^)/~~~
そーそー 母子家庭の女性にも 分けようよ。
親切なオジサンなんだからさ。
植木は 肥料が良いから しっかり育つよね。
そして 数百年後には 良い泥炭になるかもね。
テロリストは 女性以外は「三バカ大将」かと思ったわ。
(⌒▽⌒)アハハ!
いつものリーアムニーソン的映画ではなかったです、が・・・
プロフェッショナル?
あらすじを知ったら、やっぱり「いつもの……」と思うかもしれません。でもそうではないのです!
リーアム・ニーソンが主演を務め、1970年代の北アイルランド紛争を背景に、伝説の殺し屋が爆弾テロリストの壊滅に挑む姿を活写したハードボイルドアクション。
●ストーリー
1970年代、北アイルランド。長年にわたり殺し屋として暗躍してきたフィンバー・マーフィー(リーアム・ニーソン)は引退を決め、海辺の町グレン・コルム・キルで正体を隠しながら静かに暮らしていた。
そんなある日、首都ベルファストで凄惨な爆破テロ事件を起こしたデラン・マッキャン(ケリー・コンドン)をリーダーとするアイルランド共和軍(IRA)の過激派グループが町に逃げ込んできます。
彼らのひとりが地元の少女を虐待していると知ったことでフィンバーの怒りに火がつき、彼は少女を助けるために制裁を下すことを決意します。テロリストとの殺るか殺られるかの壮絶な戦いが幕を開けることに。後戻りできない状況に追い込まれたフィンバーはテロリストたちを完全制圧するべく、最後の命懸けの戦いに身を投じていくのです。
●解説
映画タイトルとリーアム・ニーソン主演というだけで、「いつものアクション映画だろう」と見るのを避けていました(^^ゞ
でも時間が空いたので見てみたら、喰わず嫌いをいたく反省することになったのです。
皆さんも、あらすじを知ったら、やっぱり「いつもの……」と思うかもしれません。でもそうではないのです。ただ『96時間』と比べると派手なカーチェイスもないし、敵役となるグループも、これまでの作品と比べるとショボいかもしれません。
でも本作をよく見ると、正統派の西部劇のスタイルを踏襲し、オーソドックスなアクション演出に徹し、俳優たちの演技は渋く手堅いという、どこかで味わったことのある名作の空気を感じることでしょう。
実は、本作の監督は何本もイーストウッド作品のプロデュースを手掛け、彼が主演した「人生の特等席」を監督したロバート・ロレンツ。撮影もイーストウッド作品の名手、トム・スターンなのです。つまり、本作はクリント・イーストウッド監督作のようなティストを色濃く持った作品なのです。
一連のイーストウッド作品では、「許されざる者」(1992年)をイメージしやすいけれど、海岸沿いを走る車を捉えた空中撮影や音楽とレコードへのこだわりは、彼が71年に初監督した「恐怖のメロディ」を思い出させます。
西部劇風の音楽も、彼がよく主演していたマカロニ・ウエスタン風です。総じて、巨匠として評価される前のイーストウッド映画を模したかのように見えるのは、要は愛すべきジャンル映画なんだといえることでしょう。
とにかく引退したはずなのに、腐れ縁で取り次ぎ役のロバート・マキュー(コルム・ミーニー)からの仕事を引き受けてしまうフィンバーでしたが、ひとり殺す度に、罪の意識に打たれてしまう姿は、哀愁が漂い、こんな苦悶するスナイパーを演じるのは、さすが年季のいったニーソンならではと感じました。
●『プロフェッショナル』&『アマチュア』同ジャンルの作品がなぜか同日に公開。
奇しくも同日公開となった作品に、映画「アマチュア」あります。闘い方には全く無縁のアマの復讐者とプロの殺し屋を描く洋画のエンタメ作が、なぜか同日に公開されわけです
「アマチュア」の復讐者は殺しに徹しきれない男です。とはいえ、頭脳戦では卓抜な手腕を見せます。世界各地を股にかける彼はヒーロー的風格をもっていました。
「プロフェッショナル」の殺し屋は引退を考え、庭いじりに備えていました。強じんな精神の持ち主でありますが、ヒーローには縁遠いと存在といえそうです。
前者は頭脳戦が腕力を超えていく展開に引き込まれるが、カタルシスはそれほどではありません。後者は殺し屋が、ある復讐者から追撃される際の対峙の仕方が見せ場となります。彼もまた、ある不幸を背負ってきたのです。その深い傷痕が、しだいにせり上がってきます。アマとプロ。その意味合いの複雑さ、深さを、2作品から知ることになるでしょう。
傑作!
まず声がいい。
激渋骨太なおっさん向け活劇。
こういう映画が見たかったんだ、と興奮したぞ。
昔なら、新宿ローヤルで出会った拾い物、みたいな感じ。
IRAの過激派武装一味が田舎町に逃げ込むと、そこにはプロの殺し屋が住んでいて…って、ジャック・ヒギンズの小説みたい。
引退したい老殺し屋、次世代を担いそうな若造ヒットマン、地元の親友保安官、ほのかな隣人おばちゃんとの交流、そしていたいけな子供と猫。IRAのラスボスがかなり強烈で凶悪なこともあり、流石のリーアム・ニーソンもピンチになるんじゃないか、と心配になったよ。
終盤の「酒場の決闘」もかっちょ良くてしびれた。
原題と邦題の違いよ
邦題「プロフェッショナル」から想像すると、リーアム・ニーソンがテロリストを無慈悲に倒していくイメージだったけど、そんなのではなく引退して街の一部として穏やかに過ごしていこうとする一人の年老いた男の物語だった。
自分も邦題に惹かれて観に行った一人ではあるが、映画としては味わい深く面白かっただけに、タイトルで釣るのはどうかな。
なんでこのタイトルにしたんだ。
朝アマチュア観て、レイトでプロフェッショナル観たんだけど、50のオバチャンには圧倒的にプロフェッショナルの方が刺さるwラスト切なくて泣いたし。とても良いノワールですね。邦題やポスターの雰囲気と内容が違いすぎるw
原題は「In the Land of Saints and Sinners」聖人と罪人の地でみたいなしっとりしたタイトルだよ。同じ日にアマチュアとベテランとプロフェッショナルが公開になったのは面白いけど、邦題め。
リーアム・ニーソンが大暴れして無双するアクション映画なのかな?と思いながら観たら、全然違った。50年前のアイルランドで、そろそろ隠居して庭いじりでもしようかなんて殺し屋の、田舎の村での人情物語だったよぉ⋯もう、50にもなると、こういうので泣いちゃうんやて。
風景も良いし、劇伴も良いし⋯建物とか部屋の装飾とか、アイルランドのパブで笑顔で過ごし、陽気に踊る人達。イイ⋯。なんだこれ、めっちゃイイやん⋯。
パブで話した内容と本の意味が繋がって、伝えたい言葉になってる。おじの友情ぉ!
メインキャラクターそれぞれ丁寧に描いてて良かったな、分別ある大人も多くて良い。そしてIRAとか関係なくあのロリクズは死んでヨシ過ぎた。もっと長く長く苦しんで欲しかったぐらい許せん。
ともかく、猫ちゃんと幸せになって欲しい。
邦題のせいで損してる。
最初は、リーアム・ニーソン主演で「プロフェッショナル」というタイトルだけ聞いて、「また同じようなアクションものかあ。もう本人もどれがどれやらわからんくらい出てるやん。」という印象で、全く観るつもりなかったのですが、よくよく解説や口コミに目を通すと、1970年代のアイルランドが舞台とのこと。大のアイルランド好きの私としては「これは観なければ」と一転。最近では「コット はじまりの夏」「イニシェリン島の精霊」等が良作でした。
こんなタイトルやからすぐ上映終わってしまうに違いないと思い、他にいろいろ観たいのを済ませて、なんとか上映2週目に間に合いました。たまたま、「アマチュア」「ベテラン」と同じタイミングの上映になって少し話題になったのがラッキーだったのかも。
観た感想としては、まずやはり荒涼とした海岸線やゴツゴツした大自然の風景が美しくて、それだけで評価2割増し。あと、本当にアイルランドらしいメンツの俳優さんばかりなのが良かった。中でもロバート役のコルム・ミーニーは、「アイルランドが舞台の映画と言えば」って感じで本当によく出てくる印象があるし、この人昔からおじさんで見た目がずっと変わらない。
お話としては、全体的にこじんまりしていて、めちゃ極悪なヤツは出てこない。敵味方とも使う武器はクラシカルなものばかりで、アクションやドンパチ(古!)がメインではなく、人情ものの色合いが濃い。イーストウッドの弟子みたいな監督ということで「許されざる者」を彷彿とさせるストーリーで、好きなタイプの作品でした。ただ、最終的にフィンバーは死んで、ケビンが仇撃ちするような展開のほうが良かったのではないかという気もしました。
とにかく原題の「聖者と罪人の地で」が深みのあるタイトルで内容を的確に表現しており、何も考えずにつけた(ような)邦題が腹立たしい。もったいない。
よかったが少し惜しい
まずはじめに書きます。批評家などの高評価に違わず、アイルランドの美しい風景、建造物に囲まれた景勝豊かな、しかしひどく寂しく荒涼とした土地の中で繰り広げられる、年老いた殺し屋の最後の仕事を堪能できます!その意味で北方謙三原作の角川映画「友よ、静かに眠れ」を彷彿とさせる、正統なハードボイルド映画だったし、リーアム・ニーソンの魅力も発揮されてた。
残念だったのは、リーダー格の女性ケリー・コンドンは好演してるものの、せっかくIRAテロリスト設定なのに、ニーソン演じる主人公への復讐動機が弟の殺害ということ。また部下2人のキャラも弱すぎていただけない。あんなリーダーには従いたくないのではないかと思う。またクライマックスを強調するためか、中盤の牧歌的展開にも、少々中だるみを感じた。警官役のキアラン・ハインズは結構よかったが、勘の良さを発揮するのが遅すぎる。
監督ロバート・ロレンツが目指したろう、イーストウッド版「許されざる者」と比較して、演出力の違いはいなめなかった。同様のハードボイルドとしては「友よ、静かに眠れ」のが優れている。
とはいえ、はじめに述べたように、美しいアイルランドの風景(「イニシェリン島の精霊」を思い出す)の中で描かれる最後の仕事に臨む殺し屋の哀愁は素晴らしく、久々に骨太のハードボイルドを観た気はした。最後、不覚にも目に涙が浮かんでしまった。
また、初めは人殺しを愉しむサイコな若者に見えたが次第に心を開き、ニーソンの良き相棒となる殺し屋仲間を演じたジャック・グリーソンはとても魅力的でした。
みんな善悪が中途半端で入り込めなかった
2025年劇場鑑賞119本目。
エンドロール後映像無し。
リーアム・ニーソンが殺し屋という事であーまた悪党が迂闊にリーアムに手を出して痛い目見るやつか、と思ったのですが今回は違いました。
テロリストが子供を巻き込んで爆発させてしまう所から始まったので、てっきりその家族の元殺し屋が復讐するののかと思っていたのですが、リーアム全然元じゃなくて現役バリバリだし、特殊工作員的な強さ持ってるわけでもないんですよね。
このリーアム演じる主人公は、村では人当たりのいい人物として描かれており、それは溶け込むための演技ではなく、仕事をしていない時は心から村の人達を大事にしているのですが、そんな人が人殺したらダメでしょう。ターゲットも今殺さないと被害者が増えるという悪人でもなく、テロリストも一応子供が巻き込まれるのに多少の躊躇をしたり、弟には愛情があったり、リーアム側の殺し屋の仕事仲間もどこかいいところがあって、善人でも悪人でもない中途半端な人たちばっかりなんです。村の人達は善人として描かれますが戦いにはただ巻き込まれるだけなんですよね。
善の心を持つ者が悪人を許さないみたいな感じだと感情移入できたのですが、誰にも感情移入できず入り込めなかったです。
ジャック・ヒギンズ作品のような味わい
最近はシロートが殺し屋になる映画が多かったけど、こちらは正真正銘のプロの暗殺者のお話しで、ドンパチだけでなくドラマ的にもいい感じでした。爆弾テロ犯のIRAテロリスト達が逃げ込んだ先のアイルランドの田舎で、引退間際の初老の殺し屋と対決するストーリーです。まず何よりもカメラが素晴らしく、アイルランドの田舎の美しい風景に引き込まれます。殺し屋と言う裏稼業をしながら主人公が、この美しい田園で友人の警察署長や村人達との交流する穏やかな生活が丁寧に描かれています。また、聖人と罪人の狭間に立つ矛盾を抱えた主人公や、彼の正体を薄薄知りながら見逃す警察署長、凶暴でいながら弟を盲愛する女テロリストなど、登場人物の描き方も魅力的です。クライマックスの銃撃戦からしんみりとした幕切れと、昔読んだジャック・ビギンズの冒険小説のような味わいでした。監督のロバート・ローレンツの演出は、目新しい物はないけど手堅くまとめた感じで、西部劇調なのはクリント・イーストウッドのスタッフだからかな?役者では、リーアム・ニーソンが、アイルランド人だけに役柄にガッチリとはまっていて、ショットガンを抱えて佇む姿が絵になります。女テロリスト役のケリー・コンドンも、迫力ある演技でした。
想像とは違いましたがなかなか良かったです
北欧の美しい景色をバックに人それぞれの正義が描かれるハードボイルドアクションの秀作
重厚な映像美と落ち着いた演出、そして主演のリーアム・ニーソンさんのシブい佇まいが上手くマッチしていて、更にストーリーも冒頭のド迫力の爆破テロシーンから目が離せない展開でグイグイ引き込まれるとても見応えのある作品でした
大好きな『ベルファスト』(2021)や『イニシェリン島の精霊』(2022)と同じアイルランドが舞台、映し出される風景がすごく雄大で綺麗、それだけでも観て良かったと思える作品です
リーアムさん演じる主人公は自身との葛藤を続けながら人をあやめる“始末屋”となっていたが、引退を決意した所で不本意な闘いに巻き込まれていくという展開
やるせない複雑な心境に加え爆発しそうな感情を押し殺し冷静に努めようと振る舞うリーアムさんがメチャクチャかっこよかったです
と、いろいろ魅力的な本作ですが、そんな中でも一番印象的だったのは過激派グループのリーダー格を演じたケリー・コンドンさん
すごく美人で『イニシェリン島の精霊』(2022)でも出番が少ないのにまあまあの存在感を残していたのが記憶に新しいですが、本作では打って変わって常に落ち着かなげにイライラしていて、感情むき出しで直ぐにヒート・アップする怖い怖〜い姐さんを演じていて強烈に印象的でした
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