プロフェッショナルのレビュー・感想・評価
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まず声がいい。
激渋骨太なおっさん向け活劇。
こういう映画が見たかったんだ、と興奮したぞ。
昔なら、新宿ローヤルで出会った拾い物、みたいな感じ。
IRAの過激派武装一味が田舎町に逃げ込むと、そこにはプロの殺し屋が住んでいて…って、ジャック・ヒギンズの小説みたい。
引退したい老殺し屋、次世代を担いそうな若造ヒットマン、地元の親友保安官、ほのかな隣人おばちゃんとの交流、そしていたいけな子供と猫。IRAのラスボスがかなり強烈で凶悪なこともあり、流石のリーアム・ニーソンもピンチになるんじゃないか、と心配になったよ。
終盤の「酒場の決闘」もかっちょ良くてしびれた。
原題と邦題の違いよ
邦題「プロフェッショナル」から想像すると、リーアム・ニーソンがテロリストを無慈悲に倒していくイメージだったけど、そんなのではなく引退して街の一部として穏やかに過ごしていこうとする一人の年老いた男の物語だった。
自分も邦題に惹かれて観に行った一人ではあるが、映画としては味わい深く面白かっただけに、タイトルで釣るのはどうかな。
なんでこのタイトルにしたんだ。
朝アマチュア観て、レイトでプロフェッショナル観たんだけど、50のオバチャンには圧倒的にプロフェッショナルの方が刺さるwラスト切なくて泣いたし。とても良いノワールですね。邦題やポスターの雰囲気と内容が違いすぎるw
原題は「In the Land of Saints and Sinners」聖人と罪人の地でみたいなしっとりしたタイトルだよ。同じ日にアマチュアとベテランとプロフェッショナルが公開になったのは面白いけど、邦題め。
リーアム・ニーソンが大暴れして無双するアクション映画なのかな?と思いながら観たら、全然違った。50年前のアイルランドで、そろそろ隠居して庭いじりでもしようかなんて殺し屋の、田舎の村での人情物語だったよぉ⋯もう、50にもなると、こういうので泣いちゃうんやて。
風景も良いし、劇伴も良いし⋯建物とか部屋の装飾とか、アイルランドのパブで笑顔で過ごし、陽気に踊る人達。イイ⋯。なんだこれ、めっちゃイイやん⋯。
パブで話した内容と本の意味が繋がって、伝えたい言葉になってる。おじの友情ぉ!
メインキャラクターそれぞれ丁寧に描いてて良かったな、分別ある大人も多くて良い。そしてIRAとか関係なくあのロリクズは死んでヨシ過ぎた。もっと長く長く苦しんで欲しかったぐらい許せん。
ともかく、猫ちゃんと幸せになって欲しい。
邦題のせいで損してる。
最初は、リーアム・ニーソン主演で「プロフェッショナル」というタイトルだけ聞いて、「また同じようなアクションものかあ。もう本人もどれがどれやらわからんくらい出てるやん。」という印象で、全く観るつもりなかったのですが、よくよく解説や口コミに目を通すと、1970年代のアイルランドが舞台とのこと。大のアイルランド好きの私としては「これは観なければ」と一転。最近では「コット はじまりの夏」「イニシェリン島の精霊」等が良作でした。
こんなタイトルやからすぐ上映終わってしまうに違いないと思い、他にいろいろ観たいのを済ませて、なんとか上映2週目に間に合いました。たまたま、「アマチュア」「ベテラン」と同じタイミングの上映になって少し話題になったのがラッキーだったのかも。
観た感想としては、まずやはり荒涼とした海岸線やゴツゴツした大自然の風景が美しくて、それだけで評価2割増し。あと、本当にアイルランドらしいメンツの俳優さんばかりなのが良かった。中でもロバート役のコルム・ミーニーは、「アイルランドが舞台の映画と言えば」って感じで本当によく出てくる印象があるし、この人昔からおじさんで見た目がずっと変わらない。
お話としては、全体的にこじんまりしていて、めちゃ極悪なヤツは出てこない。敵味方とも使う武器はクラシカルなものばかりで、アクションやドンパチ(古!)がメインではなく、人情ものの色合いが濃い。イーストウッドの弟子みたいな監督ということで「許されざる者」を彷彿とさせるストーリーで、好きなタイプの作品でした。ただ、最終的にフィンバーは死んで、ケビンが仇撃ちするような展開のほうが良かったのではないかという気もしました。
とにかく原題の「聖者と罪人の地で」が深みのあるタイトルで内容を的確に表現しており、何も考えずにつけた(ような)邦題が腹立たしい。もったいない。
よかったが少し惜しい
まずはじめに書きます。批評家などの高評価に違わず、アイルランドの美しい風景、建造物に囲まれた景勝豊かな、しかしひどく寂しく荒涼とした土地の中で繰り広げられる、年老いた殺し屋の最後の仕事を堪能できます!その意味で北方謙三原作の角川映画「友よ、静かに眠れ」を彷彿とさせる、正統なハードボイルド映画だったし、リーアム・ニーソンの魅力も発揮されてた。
残念だったのは、リーダー格の女性ケリー・コンドンは好演してるものの、せっかくIRAテロリスト設定なのに、ニーソン演じる主人公への復讐動機が弟の殺害ということ。また部下2人のキャラも弱すぎていただけない。あんなリーダーには従いたくないのではないかと思う。またクライマックスを強調するためか、中盤の牧歌的展開にも、少々中だるみを感じた。警官役のキアラン・ハインズは結構よかったが、勘の良さを発揮するのが遅すぎる。
監督ロバート・ロレンツが目指したろう、イーストウッド版「許されざる者」と比較して、演出力の違いはいなめなかった。同様のハードボイルドとしては「友よ、静かに眠れ」のが優れている。
とはいえ、はじめに述べたように、美しいアイルランドの風景(「イニシェリン島の精霊」を思い出す)の中で描かれる最後の仕事に臨む殺し屋の哀愁は素晴らしく、久々に骨太のハードボイルドを観た気はした。最後、不覚にも目に涙が浮かんでしまった。
また、初めは人殺しを愉しむサイコな若者に見えたが次第に心を開き、ニーソンの良き相棒となる殺し屋仲間を演じたジャック・グリーソンはとても魅力的でした。
みんな善悪が中途半端で入り込めなかった
2025年劇場鑑賞119本目。
エンドロール後映像無し。
リーアム・ニーソンが殺し屋という事であーまた悪党が迂闊にリーアムに手を出して痛い目見るやつか、と思ったのですが今回は違いました。
テロリストが子供を巻き込んで爆発させてしまう所から始まったので、てっきりその家族の元殺し屋が復讐するののかと思っていたのですが、リーアム全然元じゃなくて現役バリバリだし、特殊工作員的な強さ持ってるわけでもないんですよね。
このリーアム演じる主人公は、村では人当たりのいい人物として描かれており、それは溶け込むための演技ではなく、仕事をしていない時は心から村の人達を大事にしているのですが、そんな人が人殺したらダメでしょう。ターゲットも今殺さないと被害者が増えるという悪人でもなく、テロリストも一応子供が巻き込まれるのに多少の躊躇をしたり、弟には愛情があったり、リーアム側の殺し屋の仕事仲間もどこかいいところがあって、善人でも悪人でもない中途半端な人たちばっかりなんです。村の人達は善人として描かれますが戦いにはただ巻き込まれるだけなんですよね。
善の心を持つ者が悪人を許さないみたいな感じだと感情移入できたのですが、誰にも感情移入できず入り込めなかったです。
ジャック・ヒギンズ作品のような味わい
最近はシロートが殺し屋になる映画が多かったけど、こちらは正真正銘のプロの暗殺者のお話しで、ドンパチだけでなくドラマ的にもいい感じでした。爆弾テロ犯のIRAテロリスト達が逃げ込んだ先のアイルランドの田舎で、引退間際の初老の殺し屋と対決するストーリーです。まず何よりもカメラが素晴らしく、アイルランドの田舎の美しい風景に引き込まれます。殺し屋と言う裏稼業をしながら主人公が、この美しい田園で友人の警察署長や村人達との交流する穏やかな生活が丁寧に描かれています。また、聖人と罪人の狭間に立つ矛盾を抱えた主人公や、彼の正体を薄薄知りながら見逃す警察署長、凶暴でいながら弟を盲愛する女テロリストなど、登場人物の描き方も魅力的です。クライマックスの銃撃戦からしんみりとした幕切れと、昔読んだジャック・ビギンズの冒険小説のような味わいでした。監督のロバート・ローレンツの演出は、目新しい物はないけど手堅くまとめた感じで、西部劇調なのはクリント・イーストウッドのスタッフだからかな?役者では、リーアム・ニーソンが、アイルランド人だけに役柄にガッチリとはまっていて、ショットガンを抱えて佇む姿が絵になります。女テロリスト役のケリー・コンドンも、迫力ある演技でした。
想像とは違いましたがなかなか良かったです
北欧の美しい景色をバックに人それぞれの正義が描かれるハードボイルドアクションの秀作
重厚な映像美と落ち着いた演出、そして主演のリーアム・ニーソンさんのシブい佇まいが上手くマッチしていて、更にストーリーも冒頭のド迫力の爆破テロシーンから目が離せない展開でグイグイ引き込まれるとても見応えのある作品でした
大好きな『ベルファスト』(2021)や『イニシェリン島の精霊』(2022)と同じアイルランドが舞台、映し出される風景がすごく雄大で綺麗、それだけでも観て良かったと思える作品です
リーアムさん演じる主人公は自身との葛藤を続けながら人をあやめる“始末屋”となっていたが、引退を決意した所で不本意な闘いに巻き込まれていくという展開
やるせない複雑な心境に加え爆発しそうな感情を押し殺し冷静に努めようと振る舞うリーアムさんがメチャクチャかっこよかったです
と、いろいろ魅力的な本作ですが、そんな中でも一番印象的だったのは過激派グループのリーダー格を演じたケリー・コンドンさん
すごく美人で『イニシェリン島の精霊』(2022)でも出番が少ないのにまあまあの存在感を残していたのが記憶に新しいですが、本作では打って変わって常に落ち着かなげにイライラしていて、感情むき出しで直ぐにヒート・アップする怖い怖〜い姐さんを演じていて強烈に印象的でした
起承転結に見せ場を感じない、リーアムの存在感だけ
邦題タイトル詐欺だ!
アイルランド映画
なんとアイルランド映画のようだし、主要キャストもちゃんとアイルランドにゆかりの方々のようなのが素晴らしい。監督はアメリカ人みたいだけど。
映画としてはかなり地味だしミニマルなんだけど、なによりもアイルランドの風景が美しく、なんでもないシーンも見蕩れてしまう…
地元の人たちとの繋がりがかなりじっくりと描かれてるのも良いが、アクションやサスペンス展開はちょっと物足りないかな…
まぁIRAも実際にはあのくらいボンクラだったんだろうし(だってやっぱりもともとは素人な訳だし)、フィンバーもかなりお粗末な辺りがリーアム・ニーソン映画としては新機軸か。
しかし「イニシェリン島の精霊」で妹を演じたケリー・コンドンに演らせるのがあのキレ芸、ってのはいかにも勿体ないよ…
プロフェッショナルという邦題は疑問だが、人間模様がじっくり描かれた佳作!
原題は「In the Land of Saints and Sinners」で直訳すると聖人と罪人の国で。
この映画を絶対見ようと思った理由は敬愛するクリント・イーストウッドの映画クルーが撮った作品だからです。
リーアム・ニーソンはわりと好きな俳優でもありますし。
感想ですが、このありふれた邦題とはうらはらに、引退したはずの殺し屋フィンバーが知り合いの少女モヤを救うために虐待していた若者を殺したことからはじまる復讐の連鎖、IRAの爆破テロ集団との対峙を詩情豊かに描いた良質の作品だと思いました。
IRAということでミッキー・ロークが主演した「死にゆく者への祈り」という昔の映画を思い出しました。あの映画も味わい深い映画でした。
リーアム・ニーソンは現在72歳ですが、同じ年齢のクリント・イーストウッドが演じても違和感のない渋い作品に仕上がるだろうなと思いましたよ。
1974年の北アイルランドを舞台に詩情豊かな風景とフィンバーの心情が重なり、哀愁漂う映画です。
殺す相手自らに墓穴を掘らせ、そこに埋葬して苗木を植えるところは西部劇のようでした。
プロフェッショナルというか彼の仕事の流儀というものでしょうか。
IRAの女性デランの人物描写もきっちり描かれており、単なるテロリストではなく、子供たちは巻き添えにしたくない、弟の敵は絶対取るといった人間味のある側面も見せ、単なる悪と善との話ではないのがいい。
教会でのラストシーンも秀逸。
地元警察官ビンセントもいい味を出していました。
金を貰って殺しをしてきた人間がそうやすやすと庭造りで人生を終えれるはずがないというのは当然かもしれませんがなんだか切なさも感じる映画でした。
個人的にはすごく気に入った作品です。
許されざる者
1972年の血の金曜日事件が起きた頃のアイルランド。そのドニゴール州グレンコルムキルを舞台にした、あたかもイーストウッド主演の西部劇「許されざる者」を彷彿させる内容。
かつての第二次大戦にアイルランド人ながらも従軍し、多くの敵兵の命を殺めてきたフィンバーは終戦後妻を失い、孤独な中なおも暗殺者として多くの人の命を殺めてきた。そんな彼も老齢の域に達し引退を決意する。
殺しから足を洗った彼だが、顔なじみの少女が男から虐待を受けていることを知り、彼は自分の「正義」のために男を抹殺する。しかしその男はベルファストで血の金曜日事件を起こしたIRA暫定派のリーダー、デランの弟だった。
弟を殺された彼女はフィンバーをつけ狙う。テロ行為を続ける彼らにとって市民をも巻き込むテロ行為はアイルランドの真の統一を目指すための戦いでありそれは彼らにとっての「正義」だった。そして愛する弟を殺されたデランにとって復讐のための戦いもまた彼女自身の「正義」であった。
殺しに慣れ切っていたフィンバーにとって邪魔な人間を葬り去るのはたやすかった。彼はそれだけ殺しに慣れていてその方法があらゆる難問を解決するのに手っ取り早い方法だった。
初めから法的手段に頼っていれば村を巻き込んでの危機を回避できたはずだが彼には安易な殺しという方法しか思いつかなかったのだ。それが結局は彼の愛する人々を危険にさらすこととなってしまう。自分が犯してきた罪、その罪に浸りきった故に繰り返された過ち。彼はそんな過ちに満ちた人生に終止符を打つために最後の戦いへと向かう。
共に自分が「正義」と信じて犯してきた「罪」。その罪をまるであがなうかのように対決の舞台に臨む両者。その約束の地であるバーで両者が相まみえた時戦いの火ぶたはきって落とされた。
まるでその様はかつて悪事の限りを尽くしてきたイーストウッド演じる無法者のガンマンとたとえ秩序を守るためとはいえ己の正義のために暴君のようなふるまいをするジーン・ハックマン演じる保安官との対決を思わせる。
村で唯一のバーにはフィンバーの顔なじみが揃っていた。そこには友人でもある警察官のビンセントの姿も。
戦いの中でフィンバーはビンセントにその正体を知られてしまう。しかしこの戦いはこのグレンコルムキルでの生活を捨て去る覚悟で臨んだ戦いでありもはや未練はなかった。
銃弾を受け手負いとなったデランがたどり着いたのは懺悔の地である聖コロンバ教会を思わせる建物。そこでフィンバーはまるで懺悔を受け入れるかのように先に逝く彼女を最後まで看取るのだった。
そして彼もまた贖罪のために安住の地であったグレンコラムキルの地を自ら去るのだった。まるで「罪と罰」の主人公ラスコーリニコフのように。
北アイルランド出身者であり、かつてIRA(アイルランド共和軍)のリーダであるマイケル・コリンズを演じたリーアム・ニーソンが今回はそのIRAから分派した過激派組織IRA暫定派を葬り去るという内容はまるで長く続いたアイルランド独立問題に自ら終止符を打つかのような内容でただの西部劇風エンタメ作品とは違う奥深さを感じさせた。
全124件中、21~40件目を表示
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