JOIKA 美と狂気のバレリーナのレビュー・感想・評価
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ほぼ闇
映画序盤のフラッシュにはご注意を。
その後は終始暗い画面が続き、ついついうたた寝も……。
主人公ジョイのボリショイでの辛い日々が、これでもかというほど描かれる。
タリア・ライダーの憂いに満ちた顔のアップを、ひたすら受け止める。
美の世界の裏側は厳しい・・・
ボリショイ・バレエが名門であることは明らかだが、
ジョイのメンタルが壊れてもボリショイに居続ける、
その強い思いの背景をもっと知りたかった。
夫への扱いは本当にひどいが、
「結婚するしかない!」と追い込まれる気持ちもよくわかる。
ジョイ・ウーマックご本人が映画に関わっているようだが、
この内容でOKしたということは、本当にひどい思いをしたのだろう。
ボリショイには他にも闇があるようで、そちらも気になった。
最後に少し報われるシーンがあるが、それをぶつ切りにされたところがまたどうも・・・。
最後までムナクソ気分を味わった。そういう題材なわけだが。
すごいドロドロなのかと思ったが
パンフレットなどを見るとどんなドロドロした世界なんだろう...
と思ってしまうが、児童文学にしても良いくらいの至ってまともな真っ直ぐな少女の物語だった。
現実の差別、シゴキ、足の引っ張り合い、権力主義はそんなもんじゃないと思う。
主人公が母親に「もう自分はあの頃の自分ではない。変わってしまった今の自分を愛してくれ」と訴えるシーンは迫真の演技で心打たれた。
バレリーナの脚はボロボロですか🩰
見るものを魅了する美しきバレエ
その裏側に見えてくるのは
まさに醜く蠢く魑魅魍魎たち
歴史あるボリショイ・バレエ団には
ロシア人しか入団できないというのも
時代錯誤だなと思ってみていたが
ふと
歌舞伎や能、日本舞踊界などに
外国人は異質かぁ🤔と思い至り前言撤回する(笑)
ジョイを激しく拒絶する彼女たちが
壮絶なイジメを繰り広げているわけではなく
完璧な実力主義のみのように見えたので
不公平感はない。
(映画的に割愛されただけかもしれないが)
逆にジョイがディレクターに自分を
売り込みまくるやり方や
何がなんでも入団したいが為の
なりふり構わまない行動は
自分勝手極まりなくて
(ニコライが不憫)
それこそそういうのがアメリカ的に感じた。
←ごめんなさい、イメージよイメージ。
ラストのコンクールシーン、骨折をおしてまで
踊りきったジョイのプリマへの執念に拍手
「セッション」に似てる
明らかにデイミアン・チャゼル監督の「セッション」を意識して作られている。
「セッション」とは違い常に糸を張り詰めたような緊張感があり、そこがスルメだと感じた。
「セッション」と同じく最後にどんでん返しがあるが、こちらには、爽快感はない。
その理由にもちろんドラムと違いバレエなので音による迫力は出せないというのもあるが、自分が思うに「セッション」の方は、エゴによる自己表現で観客を圧倒したのに対して、この「JOIKA」のラストシーンは、「やっぱり私の居場所はここしかない」という自己の再認識による覚悟を、外ではなく自分という内に一本の強い心として通したからのような気がする。
それによりこの映画は「セッション」のマネではなく、しっかりアイデンティティを確立していると思った。
情熱と執念
映画の途中、ジョイが婚姻を結ぶあたりから、ストーリーに心を鷲掴みにされました。期待より遥かに楽しめました。
主人公のジョイはアメリカ人の少女、ボリショイバレエのプリマを夢み、アカデミー養成学校の入学許可を得て、期待に胸を膨らませてロシアへ向かいます。
待っていたのは厳しい訓練と、ライバルたちとの激しい競争、妨害。
ジョイの夢、プリマの座を掴むためには、いろいろなものを捨てなければなりませんでした。
国籍を捨て、親とも決別をする。
ニコライと婚姻の誓約をしたときに、偶然にも心配した両親がロシアを訪れますが、ジョイはきつく化粧をして両親の前に現れます。もう、子供だった自分は居ない、プリマを掴むためなら何だって実行する。両親への子離れ宣言と、自分に対して覚悟を求めたと感じました。
それでもパトロン契約を躊躇ったのは、自分自身であることを捨てたくなかったからでしょうか。
全てを無くして挫折したとき、ジョイに最後のチャンスが訪れます。
ジョイと関わった人たちが見る中で、国際コンクールで踊る。
途中で足を傷付けてしまい、断念するしかないのか。悩んだジョイの心に浮かんだのは、故郷に戻り、平凡な一人として日常を過ごす自分。
子供の頃からの夢を諦められない執念が、踊り続けることを選びます。
本作はバレエですが、スポーツ競技者を連想しました。運動能力が優れた人たちでありながら、自身の怪我、故障と戦い、折り合いをつけて競技を続け、勝利を目指す。
彼らの努力と執念には頭が下がる思いです。
ここが居場所よ
こないだ鑑賞してきました🎬
これは、プリマを目指すバレリーナたちの現実について考えさせられますね。
ロシアのボリショイ・バレエ団に入団することを夢見て、アメリカから来たジョイが、教師ヴォルコワの過酷なレッスンやライバルからの妨害によって精神をすり減らしていくストーリー。
ジョイにはタリア・ライダー🙂
可愛げのある顔立ちの女優さんですね😀
今作では散々なめにあってますが、みてるこっちがハラハラします😥
明らかにオーバーワークといえる練習量で、ふくらはぎや足首が…。
また、少女の面影を残しつつ大人の女性にも見える、不思議な魅力を秘めてますね🤔
ヴォルコワにはダイアン・クルーガー🙂
「セッション」
のフレッチャーには及びませんが、それでも充分な鬼教師です。
食い下がるジョイを一刀両断するような物言いもあり、まさに容赦なし。
しかしそんな彼女も、後半は人間味のある一面を見せますね😳
その辺りを巧みに演じた、クルーガーは流石でした👍
ジョイと親密になるニコライを演じたオレグ・イベンコも、男前な容姿に本物のダンサーならではのダンスシーンを彩ってくれました😀
怪我のシーンは時に目を覆いたくなりますが、多くを犠牲にしてでもプリマを目指すバレリーナたちの奮闘ぶりは、心に響くものがあります🫡
クライマックスのジョイの決断も見逃せません。
ナタリー・ポートマンの
「ブラック・スワン」
に通じる部分もありますね🤔
これはバレエ経験者なら、より深く理解できるでしょう🖐️
【"ブラックスワン、ボリショイバレエ団実話バージョン”ボリショイのプリマドンナに憧れるアメリカ人少女が闇に引き込まれて行く様が恐ろしくも、少女を演じたタリア・ライダーの魅力炸裂作品なのである。】
ー 冒頭、”実話に基づく”というテロップが流れるのだが、フーンと思いながら鑑賞していたら、これがマア、とんでもなく恐ろしい作品でありました。-
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・アメリカから来たボリショイのプリマドンナ、オシポア(ご本人登場)に憧れるジョイ・ウーマック(タリア・ライダー)。
ボリショイバレエ団に入るために下部のバレエ団に入るが、ライバルたちの嫌がらせがマア怖い。トゥシューズにガラスの破片が入っていたり、目覚まし時計を隠されたり・・。
又、ライバルたちも、トイレで吐いて体重を減らしているのである。
そして、容赦ないコーチ、タチアナ(ダイアン・クルーガー:数か国語を操るドイツの名女優。余り映画に出てくれないが秀作多数。特に「女は二度決断する」は、必見である。)のスパルタ指導と、容赦ない人選。だが、後半に彼女の哀しき過去が彼女自身から語られるのである。
・そんな中、ジョイは同じ団のトップ男性ダンサー、ニコライ(オレグ・イヴェンコ:旧ソ連の名ダンサー、ルドルフ・ヌレエフが亡命する様を描いた「ホワイト・クロウ 伝説のダンサー」でヌレエフを演じた人。動きが衰えていません。)と恋仲になるが、彼から言われた言葉、”ボリショイに入るには実力だけではなく、政治が必要。”
そして、自分がボリショイに入団できると思ったら、男性はニコライだけで、女性は該当者なしと結果が貼りだされる。
この辺りから、ジョイの顔つきが変わって行くのである。
そして、彼女はニコライに結婚してくれと迫り、無事に結婚。そして、彼女はボリショイバレエ団に入団するのである。
・だが、念願のプリマドンナには、マダマダで群舞の一員のジョイ。そんな時に舞台監督の男から声を掛けられ、”生活が大変だろう?”と大金を渡され、”ゆっくりと話しをしよ・・。”と誘われるが、ギリギリ断ると、ナント、ボリショイバレエ団との契約を破棄にされる。序でに彼女を推薦したタチアナも契約を切られるのである。
そして、アメリカの新聞記者から退団の真相を話すインタビューを受けるのだが、それが逆にボリショイバレエ団の怒りを買い、”裏切り者”と呼ばれ、ゴシップ新聞のトップに写真が出てしまうのである。
ボリショイバレエ団、ドロドロです・・。
・そして、タチアナはジョイを自宅に呼び、自分が且つてバレリーナでありながら断念した事、娘も極度の体重減により拒食症になった事を告げた後に”ヴァルナ国際コンクー”で、”ドン・キホーテ”を演じる事を提案するのである。
彼女はその条件を飲み、舞台に立ち、男性ダンサーと”ドン・キホーテのパ・ド・ドゥ”を踊るシーンで、以前”貴女の足は練習し過ぎで、疲労骨折の可能性がある。”と警告されていた右足を高い跳躍をし、着地した時に、骨折してしまうのである。
そして、彼女は一度、舞台の袖に入り、米国から駆け付けた両親が"帰国しましょう”と言う中、松葉づえをつき挨拶するシーンを思い浮かべるが、ナント、怪我した足を軸に見事な回転を披露するのである。
彼女の表情は、それまでの狂的な思いつめた表情ではなく晴れやかで、会場からは万雷の拍手を浴びるのである。あーすっきりしたなあ。
<今作は、ボリショイのプリマドンナに憧れるアメリカ人少女が闇に引き込まれて行く様をキッツい多数の描写で描きながらも、アメリカ人少女ジョイを演じたタリア・ライダーと容赦ないコーチ、タチアナを演じたダイアン・クルーガーの魅力が炸裂する作品なのである。>
題名は「美と狂気」でよいのだ。
女性同士のおとしめ合いのドロドロを期待しながら見に行った。
バレエシューズにガラスを入れられたり、目覚まし時計を隠されたり、唾を吐きかけられたり、古い少女漫画にありがちな、お約束のシーンが楽しい。
しかし、この映画のメインはそれではない。
JOIKAの野心、自分の価値を証明したいという野望、その強烈さだ。
JOIKAはロシア人になるためにダンサーに求婚する。愛はなかったわけではないとは言えだ。
夫の男性はJOIKAを殴るが、「ただ踊りたかったの」と言われて、俺は何だったの!、になるのは当然だ。
大物プロデューサーに身をゆだねることが出来なったが(まだ人妻だった)、JOIKAはそれを想定してディナーをともにしたはずだ。
JOIKAの根性サクセスストーリーではない。
あの世界でのし上がっていくには、狂気が必要なのだ。
JOIKAが上がっていくたび、よそ者であるJOIKAがロシア人を蹴落とすことになる。
痛みを忘れたバレリーナはバレリーナではない、とは常に痛みを感じ続けよ、である。
狂気でなくてなんだろう。狂気を伴わない美をせせら笑うようだ。
暗い
アメリカ人がボリショイバレエに初めて合格したというだけど、彼女は終始つらそうで、すごさや魅力が全然伝わらない。ド根性だけはある。ポイントとなる場面で見ているこっちを圧倒するようなパフォーマンスを見せて欲しい。
それに結婚相手のお母さんに食事を断るとか態度が悪い。両親が来ていたなら渡りに船で、引き合わせればいいし、料理が足りなかったら外食すればいいし、結婚した当日の食事をキャンセルするなど本当に感じが悪い。
ボリショイになんでこだわるのか意味が分からない。ブランド志向で視野が狭いのか。
観ていて つらい映画でした。( >_< )/
なぁーんか イヂメられてるしね。┐(´ー`)┌
ロシアらしい 暗い感じも なんだかね。
オルガルヒ(ロシアの富豪)の餌食になりきれなくて
あ゛-あ....でしたが ラストだけは ちっと幸せでした。
バレエのシーンは とても綺麗でした。
(オンライン試写会は常にネタバレ扱い)正規の公開日にはおすすめ枠
今年107本目(合計1,649本目/今月(2025年4月度)10本目)。
バレエ(踊るほう)の選手になるのも大変ですが、どこかに所属して見習いか何かから初めてそこから上の方の階級にあがっていくには技術も磨く必要があるし、人間関係でうまく「すり寄る」必要もあるし、そこはまぁある程度違ってもどのお仕事でも変わりませんが、バレエにせよバレー(球技にせよ)、何にせよ実技系の職業はどうしても「技術力」が問われることが多いものです。
その「実力による上の階級へののし上がり」をテーマにしたホラーもの、といったところです。ホラーものといってもお化けが出てくるわけではなく、それに精神的に取りつかれた主人公が精神的に病んでいく、という意味においてのホラーですが、こういう趣旨の映画は時々みますが(2024年だったかの「ノーヴィス」(あのときはアマチュアボートだったかな))、本作もなかなか良かったなというところです。
かさねがさね、オンライン試写会に招いていただいた fansvoicejp さまにはご感謝を。
作品として気になる点までないのでフルスコアにしていますが、バレエ(踊るほう)については基本的な用語をある程度知っているだけでも有利不利はかなり違うと思うので(オンライン試写会なので何度か巻き戻してはみたが、映画館だとそうはいかない)、バレエをしたことも見たこともないという方であれば、Youtubeなどの動画を数本みてからをお勧めします。
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