「情熱と執念」JOIKA 美と狂気のバレリーナ ケイさんの映画レビュー(感想・評価)
情熱と執念
映画の途中、ジョイが婚姻を結ぶあたりから、ストーリーに心を鷲掴みにされました。期待より遥かに楽しめました。
主人公のジョイはアメリカ人の少女、ボリショイバレエのプリマを夢み、アカデミー養成学校の入学許可を得て、期待に胸を膨らませてロシアへ向かいます。
待っていたのは厳しい訓練と、ライバルたちとの激しい競争、妨害。
ジョイの夢、プリマの座を掴むためには、いろいろなものを捨てなければなりませんでした。
国籍を捨て、親とも決別をする。
ニコライと婚姻の誓約をしたときに、偶然にも心配した両親がロシアを訪れますが、ジョイはきつく化粧をして両親の前に現れます。もう、子供だった自分は居ない、プリマを掴むためなら何だって実行する。両親への子離れ宣言と、自分に対して覚悟を求めたと感じました。
それでもパトロン契約を躊躇ったのは、自分自身であることを捨てたくなかったからでしょうか。
全てを無くして挫折したとき、ジョイに最後のチャンスが訪れます。
ジョイと関わった人たちが見る中で、国際コンクールで踊る。
途中で足を傷付けてしまい、断念するしかないのか。悩んだジョイの心に浮かんだのは、故郷に戻り、平凡な一人として日常を過ごす自分。
子供の頃からの夢を諦められない執念が、踊り続けることを選びます。
本作はバレエですが、スポーツ競技者を連想しました。運動能力が優れた人たちでありながら、自身の怪我、故障と戦い、折り合いをつけて競技を続け、勝利を目指す。
彼らの努力と執念には頭が下がる思いです。
わたしはプロでは無いけどバレエに長く関わってますが、仰せのようにアスリートそのものですね、衣装の下はテーピングやサポーターというのも日常茶飯事、ケガとの戦いでジムで筋トレとか栄養士がつくのもいまは当たり前になって来ています!