「題名は「美と狂気」でよいのだ。」JOIKA 美と狂気のバレリーナ ふくすけさんの映画レビュー(感想・評価)
題名は「美と狂気」でよいのだ。
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女性同士のおとしめ合いのドロドロを期待しながら見に行った。
バレエシューズにガラスを入れられたり、目覚まし時計を隠されたり、唾を吐きかけられたり、古い少女漫画にありがちな、お約束のシーンが楽しい。
しかし、この映画のメインはそれではない。
JOIKAの野心、自分の価値を証明したいという野望、その強烈さだ。
JOIKAはロシア人になるためにダンサーに求婚する。愛はなかったわけではないとは言えだ。
夫の男性はJOIKAを殴るが、「ただ踊りたかったの」と言われて、俺は何だったの!、になるのは当然だ。
大物プロデューサーに身をゆだねることが出来なったが(まだ人妻だった)、JOIKAはそれを想定してディナーをともにしたはずだ。
JOIKAの根性サクセスストーリーではない。
あの世界でのし上がっていくには、狂気が必要なのだ。
JOIKAが上がっていくたび、よそ者であるJOIKAがロシア人を蹴落とすことになる。
痛みを忘れたバレリーナはバレリーナではない、とは常に痛みを感じ続けよ、である。
狂気でなくてなんだろう。狂気を伴わない美をせせら笑うようだ。
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