「ケン・ローチ監督の源流に触れる、庶民的で力強い初期の二部構成ドラマ」石炭の値打ち sugar breadさんの映画レビュー(感想・評価)
ケン・ローチ監督の源流に触れる、庶民的で力強い初期の二部構成ドラマ
第一部 炭鉱労働者の日常をユーモアたっぷりに描く、加えて皇太子の視察が決まり、準備に追われる彼らをコミカルに綴っていく。
私の会社の現場もあんな雰囲気だったなあ。軽口を言い合い、決して上品とは言えないけど、仲間への愛情と尊敬がベースに流れている。まあ、もう少し整理整頓はできていたけどね。
政治論争は口角泡を飛ばして熱く議論するのが欧米流。でも今みたいに誹謗中傷とか陰湿な感じはない。
第二部は一転してシリアスな展開。1931年のG・W・パプスト監督の「炭坑」を想起する。事故の被災者救出を待つ時間が、我々にも永遠に感じられる。そして結果を聞く際の残酷な分かれ道。ラストの「やっぱりお父さんと行きたい」には泣ける。
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