劇場公開日 2025年5月16日

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「日本の第二次世界大戦もので名古屋が取り上げられたのは高評価。」80年後のあなたへ yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 日本の第二次世界大戦もので名古屋が取り上げられたのは高評価。

2025年5月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

今年129本目(合計1,670本目/今月(2025年5月度)14本目)。

 日本で、日本の第二次世界大戦を描く映画といえば、だいたいは、広島・長崎、沖縄戦が代表的でこれでほぼ9割占めると思いますが、作内でも登場するように、名古屋市は軍需産業で栄えていたため(発電機を当時、ここで4~5割作っていた)、各都市の空襲(原爆投下も広義に含む)の中でも、名古屋(愛知)の空襲のそれは実は作内でも示されるように被害が甚大で、映画で扱っているところもこの部分です。

 どうしても作品それ自体が問題提起型の映画になるため、映画に娯楽を求めていく立場であれば推せる作品ではないですが、こうした作品を見ることに意味はあると思うし、空襲を受けた背景やその後の名古屋の歴史(被害が甚大すぎて、戦後の復旧事業に支障をきたしたため、名古屋市の街の復旧に制限がかかるようになり、それが今でも「三大都市」の中でも「三番目」のポジションから抜け出せない、といったことなど)に触れている等、得られるものは多いです。

 また、戦争についてどちらが悪でどちらが善であるという趣旨で描かず、名古屋空襲を扱うことに特化したところも良かったところです。どうしても第二次世界大戦の日本の被害といえば、広島・長崎、沖縄がよく知られますが、意外に知られていない「各都市への空襲」のうち特に被害が甚大だった本件(名古屋空襲)について触れた作品は良かったな、といったところです。

 採点上特に気になる点までないのでフルスコアにしています。

yukispica