劇場公開日 2025年10月24日

「給食はおいしく食べるものだ」おいしい給食 炎の修学旅行 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 給食はおいしく食べるものだ

2025年10月26日
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鑑賞方法:映画館

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■ 作品情報
監督は綾部真弥。主要キャストは市原隼人、武田玲奈、田澤泰粋、栄信、片桐仁、いとうまい子、六平直政、高畑淳子、小堺一機など。脚本は永森裕二。
■ ストーリー
1990年、函館の忍川中学校に勤務する、給食をこよなく愛する教師・甘利田幸男が担任する三年生が、青森・岩手への修学旅行に出発する。生徒たちの学びの旅と説きつつ、甘利田の頭の中は旅先のご当地グルメでいっぱいであった。しかし、旅の途中、甘利田の教え子にして給食アレンジのライバル・粒来は、ご当地料理でも大胆なアレンジを見せつけ、甘利田を刺激する。さらに、粒来が他校の生徒とのトラブルに巻き込まれるハプニングが発生し、止めに入ろうとした甘利田は、かつての同僚である御園ひとみと偶然にも再会する。これをきっかけに、甘利田は粒来とのご当地料理対決だけでなく、スパルタ指導教員との確執にも直面し、波乱の展開が繰り広げられる。

■ 感想
市原隼人さんの新境地にして代名詞とも言える甘利田先生の熱演に、今回も心を奪われます。異常とも言える給食への情熱が、観る者の笑いのツボを刺激するだけでなく、食欲をそそり、そして胸を熱くする様は本当に見事です。

函館の忍川中学校での生活に終止符が打たれる本作は、これまでに育まれたライバル粒来くんとの友情、愛すべき教え子たちとの絆、そして温かい駄菓子屋のおばちゃんとの交流が走馬灯のように思い出され、終盤は自然と目頭が熱くなります。久しぶりに登場した御園先生の言葉からも、甘利田先生の一貫した給食への姿勢が、彼と関わった全ての人にストレートに伝わっていることが感じられ、胸がいっぱいになります。

思えば、日本人の誰もが楽しく語り合える学校生活の思い出は、給食をおいてほかにないかもしれません。献立はもちろん、食べ方、おかわりジャンケン、お昼の放送、友達との会話など、今でも鮮明に記憶に残っています。一方で、完食主義のもと、居残り給食で味わった辛さも忘れられません。そんな郷愁に思わず浸ってしまうのも本作の大きな魅力の一つです。

本作の時代設定は35年前の平成2年で、昭和の指導がまだまだ色濃く残り、学校によっては花巻の中学校のような教師もいたかもしれませんが、現在は絶滅しています。もし死滅してないのなら、完全に懲戒処分の対象です。ただ、現在でも、給食は時間に追われ、ゆっくり味わって食べることはなかなか難しく、まして担任教師にとっては、ここがノート点検や連絡帳の返信などを行う貴重な時間であり、多くの教師は自然と早食いとなっていることでしょう。甘利田先生の姿は、子どもたちだけでなく、現場で歯を食いしばって働く教師にとっても、憧れたくなるものではないかと思います。ぜひ多くの学校でこのような光景が見られることを期待したいです。

ただ、学校ドラマとしては、修学旅行の直前まで班が決まっていないことや、校長が引率しない、旅程を現地で勝手に変えるといった点は、ちょっと現実離れしているように感じます。まして、急に他校を給食に招くなんて、食数の確保ができないし、給食費も賄えません。さらに、中3担任が、受験期の3学期に転勤、しかも教員採用試験も受けずに学校間の口約束だけで他県に異動とかあり得ません。このあたりは、もう少し説得力のある理由付けがあるとよかったです。

それにしても、次は沖縄ですか!次回作も大いに気になります。いつか我が地元の愛知にも赴任していただき、味噌田楽やカレーうどんや大葉料理、旬の野菜を使った献立を、甘利田先生にぜひ堪能していただきたいです!

おじゃる
おおとりさんのコメント
2025年10月27日

そこはだれもが思いましたね、3作目見といた方がいいですよ

おおとり
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