「「事故物件」のコンセプトをもっと煮詰めて欲しかった」事故物件ゾク 恐い間取り 鶏さんの映画レビュー(感想・評価)
「事故物件」のコンセプトをもっと煮詰めて欲しかった
2020年に公開された『事故物件 恐い間取り』の続編でした。しかしあれからもう5年も経ったのかと思うと、それが一番の恐怖かもしれません。
さて本作では、前作で主演を務めた亀梨和也が本人役として登場するものの、主役は渡辺翔太が務めます。彼は駆け出しのタレント・桑田ヤヒロとして、「事故物件住みます芸人」ならぬ「住みますタレント」の道を歩み始めます。
ヤヒロが住むことになるのは、自殺者が出たというマンション、怪奇現象が噂される旅館、住人が次々と精神を病むシェアハウス、そして恋人・春原花鈴(畑芽育)の自宅アパートです。
ただ、最初のマンションとシェアハウスは“事故物件”としての説得力があったものの、旅館と恋人のアパートは若干コンセプトから外れており、やや違和感が残りました。もちろん、毎回同じパターンでは飽きが来るため、舞台に変化を持たせたという意図は理解できますが、「事故物件」というテーマの枠を緩めて“何でもアリ”にしてしまう姿勢には少々疑問を覚えました。
また、ヤヒロが田舎から上京して頼った芸能プロダクションの社長・藤吉清(吉田鋼太郎)を巡るエピソードも、“怪談”としては良くできており、伏線の回収も丁寧でしたが、これもやはり「事故物件」という主題とはズレがある印象でした。
物語全体としてはやや散漫な印象が否めませんでしたが、出演者にはビッグネームが揃っており、それだけに「事故物件」というコンセプトにもう少し忠実な作品であれば……と惜しく思いました。
そんな訳で、本作の評価は★2.2とします。
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