ただ、愛を選ぶことのレビュー・感想・評価
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陽だまりの中で溶け合うような暖かさ
この魂を揺さぶるドキュメンタリーでは、森で自給自足を続ける家族が最愛の母の死を経験し、言葉にしようのない想いと向き合いながら生きていく。と言っても、死を直接的に描くわけではないし、映画が絶望で押し潰されることもない。むしろテーマとなるのは癒しと再生だ。その絶えざる歩みを、家族の表情と内面を豊かに織り交ぜながら描き出す。たとえば、幼子たちは幼いなりに母の不在というものを懸命に理解しようと努め、年長の姉たちは弟たちの手前ずっと悲しみを我慢し続け、後になってふと感情が抑えきれなくなることもある。父親は父親で、生活費の問題や子供たちの教育をめぐる葛藤や決断を抱えている。たしかに問題は山積みなのだが、全ては時間が解決へと導いてくれる。ゆっくりと、じっくりと。そうやって歳月を重ねながら母への愛を噛みしめ、母が遺してくれたものを抱き締めて前に進んでいく過程が本当に温かい。この映画は陽だまりでいっぱいだ。
自給自足ドキュメントかと思いきや家族喪失と再生がメインテーマ。おすすめします!
ドキュメントで予想以上に良かった。
ノルウェーのペイン家のドキュメントだが、ペイン家の妻マリアが病気で亡くなり、ペインの実子3人と父ペインの物語。テーマは自給自足の生活ドキュメントかと思いきや家族の喪失と再生のドキュメント。ペインと血のつながりがない長女は去ったが、家族関係は複雑。長女も実子3人も母が病気でこの世を去りながらもペインと楽しく過ごし、馴染みがない土地の生活、初めての学校に挑戦。
家族の大切さ、絆を改めてこの作品から実感した。母マリアが残した家族や自然への愛の写真、言葉も物凄くいい。思わずウルッときた。素晴らしいドキュメント。上映館数は少ないが、お近くで観るチャンスがある方はおすすめします。
良い事なのかはわからない
北欧ノルウェーの美しい森で自給自足の暮らしを送っていたペイン家。子どもたちは学校へ通わずに両親から学び、自然の恵みを浴びながら成長していた。しかし、母マリアが病死したことで、生活が一変してしまった。母の連れ子で父と血のつながりのなかった長女は家を出ていき、父は実子3人とこれまで通りの暮らしを続けようとするが、家計や教育などさまざまな問題に直面していく。さてどうなる、という話。
ドキュメンタリーだから、本人が出演してるのだけど、写真家の母マリアが撮影した映像と、母マリアと親交があったシルエ・エベンスモ・ヤコブセン監督が記録した映像を組み合わせての作品となっているよう。リアリティは素晴らしい。そして自然の美しさは格別だった。
イギリス人の父はマリアの死後イギリスへ帰らずノルウェーに残る決断をした事が良いのかどうか。
ペイン家の生活はこれからも続くので、子供達が他人と違う生活をした経験について、将来後悔しない事を願ってます。
スローライフと子どもの成長は
如何にも北欧な生活がずっと続くかと思いきや主導の母が早々亡くなって、あららら子供達の教育メインに 日本では義務教育でもホームスクーリング選べるとかやはり北欧はいいなぁ、子供達とっても生き生きしていた 母亡き後はどうなることやら心配だったけど流石に子供は適応が早い、結局学校🏫通いであれ?何の話だったんだろう?ってなったけどお子さん達皆可愛いし、猫さんもちょこちょこ出てきて、自然豊かだし画の美しさはとても良かった
ノルウェーにて、森で自給自足で暮らすご家族。 母が病死し, 残され...
長女ロンニャ、辛かっただろうなぁ
主人公たちに共感できてすごくいいドキュメンタリー映画でした。
すごく良かったです!
ノルウェーの自然の中で暮らす一家に訪れた困難、苦悩、迷い、成長を描いたドキュメンタリー。
ノルウェー人の妻が亡くなり子供と残された父親。彼はイギリス人でノルウェーには知り合いもいない。妻を失った喪失感や子供4人の面倒を一人でみなくてはいけなくなった大変さとか、農場を一人で切りもりしなくてはいけなくなった大変さとかすごく伝わってきた。彼の今後に対する不安とかイギリスに戻りたいが子供たちは英語が話せないし、母が死んだだけでも辛いのに環境まで変わると子供が耐えられるかどうか迷う気持ちもよくわかるしすごく共感できた。
一番上のロンニャは母の連れ子なので家族と自分を繋ぐ母を失った喪失感は大きい。にもかかわらず姉として妹や弟の前でしっかりして見せるのはすごくつらかったと思う。下の子たちもそれぞれ抱えていてどの子の気持ちも分かりすぎるほど分かって辛かった。
それぞれがどう向き合い、現実と折り合いをつけていくかすごく考えさせられることも多く見応えがあった。それぞれが出した結論・選択も良かった。
それにしてもこの映画どうやって撮影したんだろう?妻が亡くなる前は妻が撮ったホームビデオや写真を繋いであるけど、驚いたのは亡くなった後も妻の台詞というか独白が入っていて、これは死ぬことを見越して妻が残した声なのか別の俳優が入れたものなのか気になった。ところどころ家族がインタビューに答えるところもあり、妻や母が亡くなりつらい時期に密着すること自体が難しかったと思うのだが素直に自分の思いを吐露していたのも良かった。亡くなった妻自身も登場することにも驚いた。よくこんなドキュメンタリー映画が撮れたものだなあと思う。ホームビデオや写真を上手く使って妻を登場させていた。監督の手腕は大したものです。とてもいい映画でした。
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