爆弾のレビュー・感想・評価
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佐藤二朗劇場 後半失速
スズキタゴサクに翻弄される警察。次々と爆発する東京の街。確かに面白い。だが、見ていて一抹の不安が。こんなにおもしろくして、ラストどうするの? その不安は的中する。後半、取り調べが類家捜査官に替わって、謎が証されるにつれて、面白さは減速する。山田君は悪くないよ。類家捜査官という難しい役を熱演してると思う。でも、佐藤二朗の怪演に対して力不足なところは否めない。それにラストの理由付け。無理矢理過ぎないか。スズキゴサクは石川家を洗脳したんだよ。明日香に利用されたわけでも同情したわけでもない。‘’無邪気‘’’な彼は、それが面白いから。そして、次に警察相手にこのゲームをする。無邪気な子どもが大人相手に遊んでとせがむように。だから、彼を殺そうとした倖田巡査に興奮して射精するくだりはいらない。彼はそんな欲とか悪とかは関係ない。ただたんに面白いからするだけ。そう、スズキタゴサクの動画を拡散した人々と同じように。このあたりをもう少し深掘りしても良かったんじゃないかなあ。ラストの意味付けで、映画上仕方ないが、スズキタゴサクの怪物ぶりが薄れた。
取調室と爆発現場とのコントラスト
どうしても佐藤二朗さんが、コミカルにしか見えなくて、それに対峙する山田裕貴さん(お父さんは元ドラゴンズ)の演技も、最初のうちはちょっとコミカルな感じで、重たいテーマを敢えて軽くしているのかと思ったのですが、まあ展開していくうちにそうではないという感じですね。
ちょっと残念だったのは、爆破現場等の描写。秋葉原の夜10時ならほとんどの店は閉まっていますね。明け方の4時の九段下にあんなに野次馬が集まるとも思えないし、阿佐ヶ谷駅で電車の運行を迫る客にしても、爆弾騒ぎが続いている中で、爆破の可能性のある状況でああいう行動をするかなと。自動改札機がJRのじゃないし。まあフィクションですけど。
阿佐ヶ谷駅で飲料の自販機を操作する様子が一瞬映る役って、フジテレビの軽部アナだったような気がするのは、私だけでしょうかね?
悪夢に出て来そうなサトウタゴサクのドアップ
サスペンス映画を観て、こんなに不愉快極まりないお話しなのにガッツリと引き込まれるのは久しぶりでした。警察の取調室で爆弾の爆発を次々と予言する身元不明の男と取調べ担当の刑事との知能戦を描く内容で、最後まで緊張が途切れることのない極上のサスペンスドラマでした。取調室からの情報がリアルタイムに共有されるため、警察幹部や爆発現場の警察官達のアクションがシームレスに展開されるのは、緊張感を高める上手い方法です。また、取調室での容疑者と刑事達との息詰まる頭脳戦は、まさにこの作品の白眉であり、皆さん絶賛の佐藤二朗の怪演は言うに及ばず、いつの間にか相手の術中にはまり崩れていく渡部篤郎や寛一郎の受けの演技も最高です。とは言え、ドラマの後半での爆弾を製造した青年やシェアハウスの同居人の考えや目的がよく分からず、スズキタゴサクの関わる必然性も、脚本では説明不足のように感じました。続編で分かるのかな?役者では、佐藤二朗演じるスズキタゴサクは、犯罪映画史上に残る名キャラクターです。頭脳派刑事の山田裕貴も、それに負けないカメレオン振りでした。
是非映画館で見てほしい
原作は読んでません。
佐藤二朗の演技力に圧巻です。
あの役であるための小汚さ、不気味さ、狂った様子。
もしタゴサクを佐藤二朗ではない人が演じていたら、ここまで素晴らしい映画にはなっていないでしょう!
ストーリー展開もしっかり伏線回収できている。
複雑なミステリーかと思いきや、誰が見てもわかりやすい内容で、とても見やすいと思います。
サブスクを待つより映画館で見るべき作品です。
役者みんな素晴らしい
倫理と正義を考えさせられる推理参加型映画
『爆弾』を観て感じたことをまとめると、非常に独特な余韻を残す作品でした。ハッピーエンドでもバッドエンドでもなく、観終わった後に「なんとも言えない感覚」が心に残ります。哲学的な問いかけもありますが、倫理的に考えさせられる内容で、単なるサスペンスにとどまらない深さを感じました。
特にタゴサクの言動や登場人物たちの行動を予測しながら観ることが楽しく、自分も物語の推理に参加しているような感覚を味わえました。社会や国家の正義、個人の絶望や行動など、現実の事件を思い出させるような重みもあり、映画を通して様々な視点で考えさせられます。
主題歌はロック寄りで少し驚きましたが、ギターのかっこよさやボーカルに引き込まれ、作品の世界観に入り込むことができました。ただ、エンドロールで曲が流れたときには少し違和感も。私はエンドロールも作品の一部だと考えているので、物語の中で曲が使われていたらより一層没入できたのではないかと思います。
全体として、答えが提示されないのではなく、タゴサクとのやり取りや物語の構造の中で観客が自分なりに考え、解釈する余白がある作品だと感じました。そのため、特に不快感はなく、むしろ満足感を伴った余韻が残る映画でした。
スズキタゴサクの言動から目が離せない
劇場の幕間広告の時点でかなり面白そうと感じていましたがようやく見に行けました。
連続爆破事件の犯人として限りなくクロに近いスズキタゴサクの怪しさ・胡散臭さ・不気味さに佐藤二郎の怪演が見事にマッチ。
やはり佐藤二郎はこういう怪しい役をビシッと決めてくれますね。
対面する刑事に次々と仕掛けてくるスズキタゴサクと切れ者刑事類家との応酬は必見。
取調室の中での心理戦の「静」と実際に現場で奔走する刑事たちの「動」が織り混ぜられ、飽きることなく見られる構成でした。
これは凄い
重量感のあるミステリーでした。これは見ごたえがある。
佐藤二郎の演技がとにかくすごい。謎解きにぐいぐい引き込まれて行きます。
第一ラウンドの舌戦が凄かった。会話を聞き洩らさないようにと集中しなければならない。
しかし、映画としては盛り上がる第二ラウンドがいまいちだったのが惜しい。
本命の山田祐貴君が出てからは、なんだかトーンダウンしてしまいました。
第一ラウンドのあの勢いはどこ行った?9つのしっぽクイズはどうした??と思ってしまった。
さらに残念なのは、結末です。
真犯人が、「え、あなたじゃこの犯行無理でしょ」という人物でした。
爆弾をただ設置するだけならともかく。時限爆弾として細かな設定を出来るようなスキルがあるようには思えなかった。
ここが物語のご都合主義的なところ。登場人物を適当に真犯人に仕立てたのかなという印象です。
あの真犯人が、実は有名大学卒でしたとか、IT技術者でしたとか、そういうバッググラウンドがあるならともかく、そうじゃない。
いやいや、あなたじゃぁ無理でしょうよと突っ込まずにはいられなかった。
しかし、全体的にはとても面白かった。
雪の中で亡くなった女の子と、刑事(名前忘れた)の関係がいまいち分かりませんでした。結局どういう繋がりだったんだろう。
あの雪の女の子のくだりで、「霊感」設定は本物なのだとばかり思っていた。
全部彼が調べていた?? いやいや、やっぱり無理がある。
金払う価値ある怖い演技
怪演
容赦のない自我
こんな選択の迫られ方はいやだ、な一作
本作はほぼ間違いなく佐藤二朗の代表作の一つになるであろうと確信させるほど、彼の演技、存在感が際立っている一作です。原作の人物像はさておき、映画作品としてはちょっと彼以外の俳優が思い浮かばないほど。
妙にへりくだったり無邪気っぽい表情を見せる時の、「なんか腹立つわー」て思わせ方も巧いんだけど、その直後にスッと目に光が入って、あ、やば、絶対なんか企んでる、と一歩引かせるという、観客の感情の誘導の仕方がすごいです。演技で視線をくぎ付けにするんだけど、といって過剰にのめり込ませもしないというか。
映像は、ちょっとやりすぎなんじゃ?と思わせるほどに照明を絞り込んでいて、取調室の閉塞感や寒々とした無機質感を一層際立たせています。そういった場所が醸し出す威圧感を一向に意に介していないように見えるからこそ、スズキタゴサクの不気味さが一層際立っています。
これだけ暗所が多いと、今後配信となった時にモニターで視聴すると映り込みなどが気になるはずで、そういう意味でも映画館での鑑賞を強くお勧めしたい作品です。
密室劇のような取り調べ場面と対照的に、爆弾がさく裂する場面は、その一瞬前の街並みがとても日常的に撮られているだけに、一層衝撃が倍化しています。場面としてはほんの一瞬だけど、それだけで十分、と思えるほどの迫真性、作り込みです。
爆弾を巡る駆け引きや時間との勝負といったサスペンス要素ともう一つ、作中では繰り返しスズキタゴサクが謎解きの形で突き付けてくる「選択」の問いが投げかけられるのですが、これが意外に重く、佐藤二朗のどアップと共にしばらく心から離れそうにありません!
演技力の塊
終盤、雑に進んだのは何故?
何回も予告編を観る機会があり、期待度が上がっていた。原作は未読、情報もスルーして、ネタバレもせずにたどり着いた。
始まって早々、佐藤二郎の怪演がいつも見掛けるものと違う。
染谷将太の分からなくもないは分からなかったけれど、無邪気と言う一言でスズキタゴサクを見誤ってしまった。
渡部篤郎の表情が変わって行くのも面白かったが、満を持して向かい合った山田裕貴を引き回すタゴサクとの丁々発止は途中まで良かったが、終盤端折られた感じになり推理やハッキリした証左も無い雰囲気に。
雑な感じで終わってしまった。
途中までこのタゴサクをどうしていくのか?キャストの反応を集中して見ていたのは間違いなかったが、終盤息切れした感じが残念だ。
わからなくもないはわからなくもないけれど、だからって現場であんなんしてたらゃいかんでしょうし、そんな事をNEWSにしてるマスコミもアホとしか…。
逆恨みで世の中に報復したい気持ちになるのはわからなくもない(笑)
タゴサクの理屈がテロリストとかサイコパスって感じだったけど、知らん人が知らん所で爆発に巻き込まれて死傷ってNEWS見たとして
自分でなくて良かった。
しりあいが巻き込まなくて良かった。こんな事になって可哀想。
犯人許せん。…位が普通の反応でしょう。
自分は作中で最も憎らしい人物はスズキタゴサクとして、次に来るのがタゴサク(爆弾メンバー)に恨まれてる一般人達だったりする。「危険物が…」とか言われて危険があるのに、日常生活を優先する様は、これで吹っ飛んでも仕方ないのでは?等と思ったりする。
その点でスズキタゴサクは憎たらしいが、自分の感覚はスズキタゴサク寄りになっていたので自分はブチギレたりしない様気を付けて生きようと思う。
安全だと言われていた平和な時代(表面的)が終わろうとしているタイミングで、この作品を観た事は忘れないようにしたい。
ただ、コレ簡単に模倣出来たら恐いね。
演劇の様な ご都合映画
原作未読、ミステリー小説として評判の良い呉勝浩さん原作映画なので、鑑賞しました。
作品のテンポは良いが、内容が原作の進行に追われ、映画全体のリアリティが多々欠け気味な"舞台映画的密室劇"になっていました。
佐藤二朗さんは、佐藤二郎さん"らしい演技"でしたが、佐藤二朗さんに"しか"できない"はまり役"でもありましたが、
それでも犯人としての心がまるで、描かれていなかった。
他幾人かの登場人物像が まるで薄くしか描かれていなく、各キャラクターを生かしきれていなかった。
なかでも、主役に成らねばならない 天然パーマ=探偵 の2番千治な、警官は個性美に欠け、大不発に終わったし、映画の中での活かし方も下手でした。 <糞主演賞><糞 脚本賞>
この映画の世界感が好きならば、阿部サダヲさん演じる「死刑にいたる病(2022年)」と佐藤二朗さんを対比させてみるといいと思います。
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