「多様性の時代に心地よい余韻を残す」ラブ・イン・ザ・ビッグシティ 和田隆さんの映画レビュー(感想・評価)
多様性の時代に心地よい余韻を残す
日々の裏にある孤独、人の多様性や人間関係と向き合い、それぞれが失敗や成功を繰り返しながら、なんとか自分らしく生きようと奮闘している人、学校や職場の環境になぜか馴染めず、自分が“普通”ではないのではないかと自問自答しているような人におススメしたい作品です。
キム・ゴウンが、世間のルールに縛られず、恋愛や夜遊びなども全力で楽しみながら生きるが故に周囲から非難され、誤解されてしまうが、自分の価値観を大切にしている女性を演じて新たな魅力を発揮。一方、ノ・サンヒョンが、ゲイであることを隠して生きる、繊細で寡黙な青年を扮し、徐々に外の世界へと踏み出していく心情を細やかに演じて説得力を与えています。
“普通に馴染めない”2人の出会いは運命的だとも言え、多様性の時代に心地よい余韻を残す、ありのままに生きたいと願うすべての人にエールを送る快作です。
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