劇場公開日 2025年6月13日

「性的マイノリティとマジョリティの垣根をなくす2人」ラブ・イン・ザ・ビッグシティ prishouさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0性的マイノリティとマジョリティの垣根をなくす2人

2025年6月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

幸せ

この作品の魅力のひとつは、人の本質を突くようなセリフが随所に出てくるところだろう。それは、国際的な文学賞にノミネートされた、パク・サンヨンという作家の小説が原作になっているからなのかもしれない。

例えば、主人公のヘテロセクシュアル(異性愛者)の女性・ジュヒが、ゲイ(同性愛者)であることがばれて「弱みを握られた」と焦るフンスに対し、「あんたらしさがなんで“弱み”なの?」とさらりと言ってのけるシーンとか。

ジュヒは、性的マイノリティなのだけど、奔放な言動から、大学に入学して早々「イカれ女」という不名誉なあだ名をつけられ、異性からも同性からも疎まれる。
一方、フンスは、性的マイノリティであることが、家族にさえもバレないよう、自分を隠して生活している。
その周りに馴染めない同士の2人が出会い、親友になっていく物語。

性的マイノリティを象徴する「レインボー」は、多様な色を示すとともに、LGBTQ(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クィア)などに明確な境目がないことも表現していると言われる。
しかし、この映画を見ていると、性的なマジョリティとマイノリティの間にすら境目はなく、「あんたらしさ」なんだな、と思う。

2人はこれまでも様々な場面で傷つけられてきましたが、2人が出会ってからは、傷つけられても、その度に「親友」が支えてくれる。
ジュヒとハンス、2人とも出会う前の、社会に絶望している様子と、出会ってからの生き生きとした様子の対比が、見ていて本当に気持ち良い。2人ともチャーミングで、心からこの2人に幸せになってほしい、と思う。

さて、最後は2人にとって、幸せだったのかな?
うん、きっと、これが2人にとって幸せなんだろうな。

prishou
PR U-NEXTなら
映画チケットがいつでも1,500円!

詳細は遷移先をご確認ください。