「綺麗すぎるが、十二分に面白い」ラブ・イン・ザ・ビッグシティ KKさんの映画レビュー(感想・評価)
綺麗すぎるが、十二分に面白い
素晴らしい韓国映画。毎度のこと羨ましい限り。
ラブ•イン•ザ•ビックシティ
なんて、東京を舞台にしたって全然良さそうなタイトルだし、中身も東京に置き換えてもきっと素晴らしい。
本のタイトルは「大都会の愛し方」。これも良い。タイトルだけでも味わい深い。
映画を見ながらこれは東京ならどんなところか、とか思い巡らせるだけでも楽しい。けど東京とは少し違う距離感。
日本と同じく学歴社会で、競争の激しい韓国の話は「すっ」と日本の都市部の心に沁みる。けどなんか、映画の中のソウルは東京よりエモい。
韓国のゲイの男性主人公と、ストレートの女性ヒロインの友情。こんな男性は東京にゴマンといる。女性はいなさそう。というよりは女性ヒロインはよくわからない。さらっとフランスに留学したり、ソウルでまあまあ広い部屋で一人暮らししているあたりは資力がありそう。男性主人公側の家庭事情はかなり描写があるのに、このヒロインの家族は一瞬も映らない。ヒロインの現実味は男性と比べて薄い。
今から考えればヒロインは男性主人公の妄想にすぎないのかもしれない。冒頭の回収されないシーンも現実かどうかわからない。最後にヒロインが結婚するあたりもあまりにも早い。だんだんに心の整理がついていった男性主人公にヒロインが必要無くなり消えました、と言われても納得いく。
とはいえ面白い。お互い自分より相手を優先する気持ちが伝わってきて熱い。こんな友情に恵まれる人生はどれほど素晴らしいだろう。
こんな素晴らしい人生が、ソウルにはある。そんなふうに思わせるだけでも羨ましい。
焼き直しは良くないですが、是非とも日本版も見てみたいと。こんな風に優しく愛おしい瞬間が、きっと東京にもあるのだと。
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