「息子の重荷はオモニ(母)も知らない」ラブ・イン・ザ・ビッグシティ ノーキッキングさんの映画レビュー(感想・評価)
息子の重荷はオモニ(母)も知らない
背中越しに自分はゲイだと母親に打ち明けるフンス。ビョーキが治りますようにと教会に通った甲斐があって、女子との同棲を喜んだのもつかの間、落胆は大きいよね〜と思っていたら、母親の表情は映らない。世の中どんだけこんな告白があるんだろう。
先に本作を観たと言う知人(韓国人)の話だと母親と息子の関係性は特別なもので、アレはないと言う。ゲイなんて少しでも匂わせたら、あっという間に近隣社会から排斥されてしまうし、韓国は未だ開かれていない。飲み会の光景もキレイごとではおさまらず、自国を”ヘル朝鮮”と呼んで騒ぐ若者は多いらしい。だから閉塞感の強い韓国であっても、現代っぽい、自由な若者達はちゃんと存在することを喧伝したいのだろうと言う。
いわゆる、五大姓!たった5種類の名字が国民の60%以上を占めている国。名前が同じなら、学歴、財産、家柄で差をつけたいのが人情。入学試験日には飛行機の騒音も許さないという極端さ。現実は超格差社会なんだね。『ケナは韓国が嫌い』で描かれているように、国外移住志向が若者のリアルだったりする。
生来の自由奔放さと留学での免疫もあってゲイに抵抗がなく、学位を取るほど賢そうには見えないが腹蔵なくあけすけなジェヒ。一方、ゲイの境涯に煮え切らないフンス。作家志望なら仏文はうってつけ。フランスが輩出したゲイの有名作家は世界でいちばん多い。ランボー、ヴェルレーヌ、プルースト、コクトー、ジュネ……特にジッドは愛人の”女”に子供を産ませるが、妻は処女のまま死なせ、がっつりノーベル文学賞を頂くというツワモノ。
異質な二人の同居で、起こるべくして起こる騒動を韓国あるあるで描く、ノンストップコメディ。気に入ったのはジェヒが二日酔いの朝、フンスに話し掛ける涸れた声(酒ヤケ?)あとは配役の妙!ゲイは、いかにもゲイ。クズはいかにもクズ。韓国ってホント上手い!
まあ、くだんの知人が言う通り、これはドラマであって、凡そ実態とはかけ離れたものだとしても、あの二人には、”地下茎でシッカリつながっている絆”があり、”友情”がある。それがうらやましい。
共感ありがとうございます。キム・ゴウンは硬軟使い分けて演じるのがうまい女優さんで、ドラマでは親しみやすく、映画ではギラギラした役を演じることが多いです。本作はドラマつぽく、前作の「破墓/パミョ」は凄みを感じさせてくれました。美人ですよ。シャネル(だったかな?)のアンバサダーもやったことがあるはずです。
今晩は。コメント有難うございます。
キム・ゴウンさんは、(怒られそうだけれども)凄い美人というわけではないですが、喜怒哀楽の表情の出し方がとても良いと思うし、特に笑顔と泣き顔のギャップがあれだけ出せる女優さんは、ナカナカいないのではないかな、と思いましたね。あとは今作、スンゴイ前から予告編を流していて、ユナイテッドシネマでは毎回毎回、フライヤーをくれるので、”お前、観ろよ!”とキム・ゴウン姉さんに言われている気がしましたね。昨晩、殆ど寝てないのでこの辺で。では。
共感ありがとうございます。
韓国の人たちも映画観てあり得ねぇ!とか思う、当たり前ですけど・・じゃアクションは?邦画リメイクは飲酒の部分で、大分ニュアンスが違って来そうで微妙と思います。
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