劇場公開日 2025年4月11日

「軍事独裁政権時代の被害と音楽」ボサノヴァ 撃たれたピアニスト コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5軍事独裁政権時代の被害と音楽

2025年4月17日
PCから投稿

ドキュメンタリー調アニメーション。
主人公は語り部のジャーナリストだが、事実上、取材対象となるフランシスコ・テノリオ・ジュニオールというヴォサノバのピアニスト・作曲家。
ジャーナリストがジュニオールの奥さんや愛人、ミュージシャン仲間へと訊きまわり。
アルゼンチンツアー中のジュニオールが、ブエノスアイレスでの公演後、アルゼンチンの海軍特殊治安部隊によって誘拐され、拷問ののち殺されたことに行き着く。
そこには南米各地で勃発していたクーデターによる軍事独裁政権の乱立、ホロコーストに近い外国人狩りという、歴史の闇が潜んでいた……
といった内容。

邦題に入ってるジャズ系ラテン音楽「ヴォサノバ」ってジャンル、あんまり関係なくない?
1957~1959年あたりのブラジル音楽の一大ジャンル&主人公のピアニストが築いたジャンルってことで、つけたのかしら?
原題は"Dispararon Al Pianista/They Shot the Piano Player"「ピアニストは撃たれた」 だけだし。

非常に興味深い内容ながら、色彩がゲリラ戦場のジャングルみたいで、崩れたわ〇せ●いぞうみたいな絵柄に、どんより倦怠感。
やや眠気を誘った(事実ところどころ記憶が欠落)。

アニメーションにしたのは、陰惨な事件をオブラートに包みたかったのかな、くらいな意味合いしか最初には感じられず。
ブラジルのメジャーな曲が多く流れるから、普通に実写ドキュメンタリーで観たかった。
いや、ひょっとしたらの推測ですが、この頃のミュージシャンって、音源は残っていても、演奏の映像(フィルム)があまり残ってないから、アニメーションを選んだのかもしれません。
時代が時代ですから、と思い至る。
もしそうなら、この手法を選んだ理由として納得はできます。

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コージィ日本犬