「ある程度の知識がないと理解に詰まるか」ボサノヴァ 撃たれたピアニスト yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
ある程度の知識がないと理解に詰まるか
今年108本目(合計1,650本目/今月(2025年4月度)11本目)。
タイトルだけではいわゆる音楽映画かなという感じはありますが、実際にはアニメ作品で(一部、実写のように見えるシーンはあるが、全編どうもアニメ作品)、音楽映画の体裁を取りつつ、扱う範囲が1960年以降の南米の各国の独裁政権や反共産主義といった特殊な論点がメインなので、そこまでアンテナを張っていないとまぁ見るのが難しいのではないかなぁ、…といったところです。もっとも、メタ的にいえば、テアトル梅田さんで放映している以上、単純なアニメ作品であるはずがなく(アンパンマンなどは東京テアトル系列の扱いだが、テアトル梅田では放映していない)、まぁ何らか知識が求められるかなと思ったらそういった部分というのは、一部、「オオカミの家」や「ハイパーポリヤ人」(いわゆるピノチェト政権のお話を含む)と重なるとはいえ、その知識まで把握してみるのはきついかなという印象です。
この上で、さらに「ブラジルだけ言語が違う」というのは要はブラジルだけがポルトガル語(南米では他の国はスペイン語)といったやや高度なセリフが登場するのも全般的に知識の必要量をあげてしまっており、そこをどうとるのかな、といったところです。
ただ、同じ1950~60年代のいわゆるこうした混乱期といえば、身近なところでは朝鮮戦争やいわゆる冷戦くらい以外は常識の範囲外で、それらに触れられたという点においては良かったです。パンフがなかったのは残念ですが…。
採点上特に気になる点までないのでフルスコアにしています。
上記のように、現代(1950~60以降)の南米の政治史という特殊な知識を必要とする映画になりますので、そこを把握してからの視聴がおススメです。