「物足りなさやモヤモヤが残る方！ぜひ原作を読みましょう」ペリリュー　楽園のゲルニカ　凡小西さんの映画レビュー（感想・評価）

マンガ原作全巻読了して映画を観た者です。
本編＋外伝の全15巻からなる作品をどう2時間に収めたのか気になって観に行きましたが、やはりマンガの持つ細かな人間臭さや泥臭さや複雑な心理描写やキャラ濃いサブキャラ達の動向などはだいぶ端折られており、ある意味でキレイにまとめて大衆向けに再構築された作品になってました。

割と悲惨な死に方をした泉くんも米兵に打たれて口を裂かれずわりかしキレイな死に方をしています。
生き絶えた吉敷くんも最後は田丸が背負ってアメリカ軍基地まで運んでもらい、火葬もして遺骨となり田丸と共に日本に帰国しています。

原作より、少々救いようのあるシナリオになっています。これに関してはしゃーないかな。映画という大衆娯楽で2時間で完結させないといけないわけで、他日本兵の心理描写やアメリカ米兵の気持ちなんかも汲み取っていたらとても2時間じゃ足りませんもんね。
なので、またもう一つの物語として本作品を楽しめました。

しかし、ところどころ説明不足な箇所があって原作を読んでなく映画から入った方は「？」ってなってない？と思うシーンはありました。
小杉伍長が突然、沼地の上にアジトを作って単独行動をしてるシーンとか😅
展開は早いが説明不足で色んなキャラクターの魅力がちょっと出しきれてない点は残念だった。
なので、映画から入ってモヤモヤが残った！物足りないぞ！！というそこのあなた！！！ぜひ！ぜひ、原作のマンガを読んでください！！！！
この作品は戦争が如何に「個人」を叩きのめし、殺し、人を洗脳させ狂わせ、何が悪か正義かとか、もうそんな単純な話で片付く事ができない事がよくわかります。
戦争は美談ではありません。
悪人は死に、素晴らしい人、良い人は救われるなんて物語だけの話なんですから。