「見た後に誰かに話したくなる映画」遠井さんは青春したい!「バカとスマホとロマンスと」 えままさんの映画レビュー(感想・評価)
見た後に誰かに話したくなる映画
先行上映で2回、そして初日の朝イチで3回目の視聴をしてきました。
前半のコメディーパートはテンポがとても良く、後半につれて怒涛の展開でとても引き込まれました。
特に前半のコメディーパートは映画館ならでは、アニメ映画だからこそできる演出が詰まっており、笑わさせられると同時に驚かされました。
まず始まり方が原作のショート動画の原点である乙女ゲームとして始まるところから始まり、最初の選択肢から笑うことができます。
そして初期メンバーが集まって行く度、映画館ならではの演出があり、これがタイトルにもした「見た後に誰かに話したくなる」の所以です。
まずももちゃんのパートでは劇場を巻き込んだり、スクリーンからキャラクターがでてくる演出があります。3D映画ではないのに画面から出てくるというのがとても斬新だと思いました。
そしてサタンくんのパートでは冒頭の乙女ゲーム状態(1枚絵)に戻ったり、実写パートがあります。アニメ映画なのに実写パート、正直に意味がわかりませんでした。でもここが1番面白いんじゃないかというくらい面白いです。
またジェルくん、ももちゃん、サタンくんの珍回答パートは源先生含むそれぞれの声優さんのおふざけ満載かつリアルな笑いも入っており、声優オタクさんも必見です。特に源先生役の子安武人さんのリアルな笑いは最高でした。
これらの演出からは制作陣からの「どうだ!面白いだろう!」という笑いに対する本気を感じられました。
そして物語の進みとともにスムーズにシリアスパートへの移行が行われて、物語へより深く集中することができます。
インターネットとともに成長してきた世代のため、インターネットの描写にはとても共感と既視感を感じました。
ここの描写はインターネット発のショートアニメが映画になったからこそできる描写でもあるなと感じました。
そしてこれは推し贔屓かもしれませんが、ジェルくん演じる遠井さんのシリアスパートの演技が本当に良いです。地声でも難しい演技を女声で違和感なく演じることが出来るのは本当にすごいと思います。ぜひ男の人が喉を引き締めて出した声だということを念頭に置いてご覧下さい。
怒涛のシリアスパートが終わると日常に戻り、エンドロールになります。
普段からどの映画もエンドロールをきちんと見てから出るタイプの私としてはとても満足度が高かったです。
歌詞に合わせてコスプレをした実写のジェルくんが出てきたり、映画本編の後日談があったり、様々な仕掛けがあり、とても良かったです。
そして最後のパートはファンとしてはとても感慨深い終わり方でした。
どの年齢でも1箇所は笑えて、ファンであってもそうでなくても笑って泣けるとても素敵な映画だと思います。
そして終わったあとには誰かに感想を話したくなるそんなに見たことがないような映画です。
ぜひ気になっている方は1度劇場でご覧下さい。