「バカでも権力を持てる」ゲッベルス ヒトラーをプロデュースした男 うぃっこうさんの映画レビュー(感想・評価)
バカでも権力を持てる
と、民主主義を愚弄しつつ、民主主義で政権を奪取したヒトラーの寵愛を受けるためにユダヤ人の罪を次々と作り上げ、デマを喧伝していったゲッベルス。その先にあったものは衝撃的な虐殺の映像。
当時の映像自体は『映像の世紀』等で見られるものもあると思いますが、ナチ政権の中でのヒトラーの寵愛を受けたいが為に側近達が繰り広げる争いの先にあったものと言うのが伝わる分、重みを感じます。
80年前の事だけど、昨今の日本や世界の状況を見ていると所詮80年前の事じゃん、とは言えない薄ら寒さを感じます。また繰り返されるだろう、じゃなく、もう繰り返され始めているのではないでしょうか。
現代に撮影した演説(のリハ)から当時の演説の映像がすっと入り混じっていくのには違和感は全く感じられないくらい自然でした。ゲッベルスが憑依したかのような演説です。
可能ならパンフレットを買って予習したほうがいいと思います。
それと、エンディングが気になる方は『ヒトラー最期の12日間』も観たほうがいいです(パンフでも度々言及されています。それくらいしかヒトラーやナチと正面から向き合った映画がないです。)。
欲を言えば『ヒトラー最期の12日間』のキャストの方がしっくりくるかなあ。
ブルーノ・ガンツさんのヒトラーといい
ウルリッヒ・マテスさんのゲッベルスといい
マグダ役はなぜだろう、高畑淳子さんとか高嶋ちさ子さんにやってもらいたくなる。
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