「無音」ゲッベルス ヒトラーをプロデュースした男 弁明発射記録さんの映画レビュー(感想・評価)
無音
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劇映画だが実際の映像のリアルに頼っているところはある。ユダヤ人を銃殺したり絞首刑にしたりする動画。死体の山の写真だったり。そういう実際のものを頻繁に挟む。ただそうまでして語り継ぎたい意思は感じた。
ヒトラーが戦争を始めてからの話だから、そこに至るまでどうやって票を集めたのか、あのシンボルマークやハイルヒトラーのポーズまでどういう風に決まっていったのかも観たかったがそこはなかった。
劇中でゲッベルスが「我々の苦難は未来においてカラーで映画化される」と言っており、マジで映画化されてるじゃねーか!と心の中でツッコミつつ。
「アメリカやイギリスの宣伝大臣を知ってるか?」という台詞も確かにナチスドイツのゲッベルスしか知らないわと説得力があり。
そして敗戦濃厚になる程にプロパガンダ、宣伝に頼りゲッベルスの地位が上がっていく、というのはリアルではあった。
それはゲッベルス本人の資質や能力、ということ以上に、人は自分達の都合のいいように事実を変えてしまうという点において。
予行演習までして車に乗ったヒトラーが少女から花を受け取る映像を撮る演出ぶり。ああいうのも自然に起きた現象に見えるもんな。
小さな事件だったユダヤ人の犯罪を大きく取り上げてユダヤ人ヘイトを集めたり。
今も世界のあちこちでやっていることは変わらないんだなと。ということを訴えたいがゆえの無音のエンドロールなんだろう。
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