「面白い映画ではない」ゲッベルス ヒトラーをプロデュースした男 ガゾーサさんの映画レビュー(感想・評価)
面白い映画ではない
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2025年劇場鑑賞113本目。
エンドロール後映像無し。
開始早々実際の映像を使っているので衝撃を受けられるかもしれないとか、加害者側の視点で描く事は大事な事だとか、とにかく言い訳じゃないですけどおことわりが多いなぁという印象。いや、観に来てる人、別にナチスを正当化しようとして作ってるんじゃないって分かると思いますよ。
しかしこういう映画を観て2つ思う事があって、一つはドイツの人どういう気持ちで観るのかな、と。日本も朝鮮出兵とか中国での統治とか色々胸張れる事ばかりじゃないですけど、ナチスのやった事って人類史上最悪の蛮行じゃないですか。原爆もいい勝負ですけど、あっちは正直そこまでやる気はなかったという言い訳まだ成立するんじゃないですか。そういう過去を定期的に突きつけられるのってどういう気持ちなんでしょうね。
で、2つ目がどうして見ず知らずのユダヤ人をあそこまで憎めるのか、という事です。劇中でもヒトラーが権力を握る前からユダヤ人は根絶やしにしたかった、と語っているのですが、調べてもどうしてそこまで憎むようになったかは分からないそうです。
そこを毎回描かないのでドイツ人が生来残忍な民族としか見えないのです。
今回の映画でゲッペルスがドイツをユダヤ迫害に誘導する過程が一応描かれるのですが、ユダヤ人に1人ドイツ人が殺されたからじゃあ皆殺しね、は倫理観が紀元前すぎます。
実際生き延びた人も最後にどうしてあんなに大勢の人が人を人として思わず命を奪ったのか分からないと語って終わるのですが、いやじゃあそれを描けば良かったでしょ、と思いました。
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