陽が落ちるのレビュー・感想・評価
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若い世代の方にこそ観て頂きたい作品
理不尽さに抗する武士と妻
たかが弓を傷付けたくらいで切腹は無いだろーと言いたいところだが、将軍の弓と、それを預かる旗本の関係なので、当時としては致し方無いのだろう。泰平の世で緩んでしまった武家社会の内部統制の為の理不尽な沙汰。その中で抗う武士達。切腹させられる本人はもとより、その妻、息子更には奉公人までをも巻き込む理不尽な決定。最初から最後まで丁寧な作りで、緊張感を維持したまま最後に、たった1人残された妻の狂乱で終わる。悲しくも、当時、この様な理不尽に翻弄された武士達が数多くいたのだろう。良い時代劇です。
物語に望みなくとも観賞しての宝は豊か
たまにこういう救いようのない映画がありますね。物語は最後にはハッピーエンドにならないと興行にならない、という暗黙の了解がただの思い込みにすぎないと気づかされます。
時代が違うから今の価値で考えてはダメなのは当然。なので精一杯追従して『そういう時代なんだ』と受け容れていくのですが、それが無理な箇所があります。とくにしげの自害とか。
そうして溜まっていった消化不良の塊こそが「その時代と精神性」という理解で裡に描かれるのです。時代を越えて時代を理解できました。
これまで武士の精神はたくさん描かれてきましたが、侍の妻を通して描かれた武士の精神は少数派でしょう。この構成による私の気づきは『優しと厳しさは同居しえる』ということです。その対極にあるのは、いつかテレビでみた我が子のお弁当を過剰に彩っておもねる傾向にある現代の母の姿。
この他にも時代が違うからこそ浮き彫りにされる、時代をまたいで輝く生き様の美学が全編にわたって埋まっています。物語に望みなくとも観賞しての宝は豊かです。
骸に添えなかった扇子をみて箍が外れたよし乃の哀しみが、思考をかき混ぜてくれて幕となる。最後の解釈は観客それぞれにゆだねたのかな、と解釈しました。
振り返って一番よかった点が何かを探りますと、俳優さんたちの演技と全体に枠を与えた監督の力でしょうか。身分格差を息遣いの一呼吸ごと、立ち居振る舞いの一挙手一投足、そらには骨身にまで染み込ませた丁寧な演技と映像、それが映像の緊張感となって物語が深く心に入ってきました。
時代劇も日本語字幕がほしい世代
雨の日曜日 桜も散って路肩に模様の頃 昼さがり
しっとり落ち着いてみたくって、評価高いし、山本周五郎の時代が好きなので
期待して新宿武蔵野館行ってみた。
時代劇は 会話が 小声だし 武士言葉は元々聴きとりにくいから、
(侍タイムスリッパー みたいな、明快な分かりやすいコメディ とは違って)
字幕が、ほしいと思った。
ブルーピリオドの「 ごうどん」(千葉真一 息子)ほど、
セリフの聞きとれない奴はいなかったケド。
斜め後ろの白頭のおじさん ひたすら持ち込みお菓子に手を入れる音、噛む音 までまる聞こえ、
おまけに嚥下機能低下してるから 咳ばらいも時々、、。
大事なシーンの会話が かき消されちゃう。
ストーリーはひたすら地味、感動的シーンは 、、、。
頚動脈なら、血しぶき天井 屏風まで 染まったら 、と思ったけど海外出品意識か、
きれいにまとまっていた。
ラストシーン 空は茜色 「陽は落ちる」
こんな春の夜の雨の歩道、 人波の中、ちょっと濡れるのもよいかも。
2時間があっという間!
良乃役の竹島由夏の武士の妻の演技がとても印象に残りました。
武士の妻の矜持、夫婦愛、友愛を描いた作品だが、とても切なくて何度も泣いてしまった。
江戸幕府の直参旗本で書院番を務める古田久蔵は将軍の弓に傷つけ蟄居の身となってしまう。
蟄居中の久蔵は妻良乃、息子の駒之助と共に過ごしていたが、ついに久蔵に切腹の沙汰がおりる。
動揺する久蔵を武士の妻として潔い最期を迎えさせるべく気丈に振る舞う良乃。
侍タイムスリッパーのように多くの映画館で観られる映画になって欲しい。
超超超大傑作
今ここにある
多くの方に観ていただきたい映画です!
武士の妻の目線で描かれた本格時代劇!
リアルを追求した本格時代劇。
俳優の気持ちを丁寧に作っていくために順撮りを採用した今作とのことですが、
まずは皆さんにご覧いただきたい!
言葉にできないほど美しく、そして切ない物語。。
各地で舞台挨拶スケジュールが続々発表されているので、特設ページと公式SNSで要チェックです!!
ぜひ映画館で観てほしい!!!
悲しくて美しい
胆力
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