「おもんぱかる」陽が落ちる ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
おもんぱかる
切腹を命じられた武士の残された時間を描くという見たことの無い時代劇というところに惹かれ、試写会に当選したのでありがたく鑑賞。
試写会はまばらなことも多いのですが、ほぼ満席だったのでこの作品のことが気になってる人が多かったんだな〜と思いました。
ちょっとした出来事がきっかけで切腹を言い渡される理不尽さもさることながら、それに対しての覚悟だったり、周りの人々の考えだったりがこれでもかと濃密に描かれるので手に汗握るような展開の連続でした。
130分とそこそこ長めの尺でしたが、じっくりと描いてくれている分、集中を切らさずに観れました。
基本的には住居周りでの出来事なので、画面が若干暗く感じてしまいました。
電気の無い時代なので仕方がないとはいえ、何をどうやっているのかというのが見づらかったのが惜しかったです。
良乃の立ち振る舞いがとても美しく、それでいて頼り甲斐のある女性で、一歩後ろを歩くような妻ではなく横に並んで夫を支えるという力強さが確かに感じられました。
切腹のシーンは分かっていてもハラハラするもので、自ら死に向かっていく、腹を切り、友に斬られと観ていてやはり辛いものがありました。
所作が最後まで素早く綺麗だったのもあり、あっという間の最後が儚く思えました。
切腹したところでズバッと終わるのかと思いきや、結構その後のエピソードが続き、良乃のその後はまだしも、多くの人物をダダッと詰め込んでしまったせいか少し胃もたれしてしまったのは残念でした。
映画終了後に舞台挨拶が行われ、監督や役者さんの今作へのこだわりだったり、撮影のあれやこれやを聞けたのは本当にありがたく、この作品もといこの時代への興味がより深くなったなと思いました。
少し自分とは相性が悪かった気もしますが、チャンバラではなく人間ドラマに重きを置いた時代劇も良いな、もっと時代劇が増えて欲しいなと思いました。
鑑賞日 3/21
鑑賞時間 18:30〜20:43
鑑賞方法 試写会にて