劇場公開日 2025年4月4日

陽が落ちるのレビュー・感想・評価

全33件中、1~20件目を表示

4.5切腹を言い渡された侍の妻

2025年5月8日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

怖い

死ななければならない己の不運、不幸を憂い、決定を下した武家社会への恨みつらみを叫び、御家断絶となることについての先祖への申し開きのなさと路頭に迷いかねない残される妻子の身を案じ、そして死そのものに対する恐怖から旗本古田久蔵正成は慟哭する。そんな夫に対し良乃は侍としての潔さを求める。また一人旅立つことへの恐怖に怯える夫に自分も一緒に連れて行って欲しいと懇願する。生への執着を見せる夫の発言には生き伸びるために逃亡することを示唆する。考え得るすべてを、侍の妻良乃は夫にそしてスクリーンの前の我々に披露してくれる。ある時には叱咤し、またある時は夫ともに嘆き悲しみ、また冷静沈着に提案してみせる。そして夫との最後の夜を過ごす。夫に甘え熱い愛をかわす。
夜が明け、その翌日、すべてが終わる。
今日にも明け渡さなければいけない誰もいなくなった屋敷で、良乃は夫の名を呼ぶ、いや叫ぶのだ。いるわけもない夫を探し回る。そしていなくなった息子の名を呼び(親友が養子として引き受けてくれた)、可愛がりまた慕ってくれた使用人の名を呼び慟哭する。あんなにも気丈だった良乃が狂人のように激しく慟哭する。

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ゆみあり

4.0夏の世の 夢路儚き もののふの 晴れて行方の 西の雲の端

2025年5月6日
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鑑賞方法:映画館

将軍愛用の弓を傷つけて蟄居を命じられた、三河以来の直参旗本、古田久蔵正成。その顛末。物語は想像の通りに進み、結末も予想を裏切らない落としどころに。なのに、あまりにも役者陣の熱量が高すぎて、目が離せない。武家の社会なので騒ぎ立てることもなく、淡々と振舞い、理不尽も受けいれる。「扇子腹」の申し出で侍の妻としての矜持をみせるのが、せめてもの抵抗だ。そこを美学と言い切るには、現代社会の感性からみれば随分とかけ離れてしまっているが、これがこの時代の常識なのだとこちらは襟を正さずにいられなかった。
さらに、ベテラン役者陣の存在感。「目立ちすぎ」ではなく、オーラ消し過ぎ。羽場裕一なんてまさか?まさか?と思いながら観てた。そして村上弘明のいやらしさ(褒めてます)。他人の命、他家の存亡などお構いなしの上役の憎らしさが上手い。そんなキャスティングが見事だった。

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栗太郎

4.5竹島由夏さん

2025年5月6日
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素晴らしい。洋顔幼顔なのだけど武家の良妻を全身で魅せていただきました。あの気品はどこから生まれてくるのでしょうか。活躍なさっているかと思いきや私の知っている作品は多くなく、もっと見たいと思わせる女優さんです

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michi

3.0古き悪い時代に生きた人

2025年5月2日
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ちょっと失敗したら切腹しなければならない時代。
貧しい時代。
母は強し。
今の日本は恵まれているなぁ。

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チャーリー

5.0若い世代の方にこそ観て頂きたい作品

2025年4月28日
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時代を超えて、大切な家族を想う気持ちは共通して共感できるものだと感じます。
登場人物それぞれに感情移入できる瞬間があり、涙無く観ることは出来ません。
この映画は、いかに現代が恵まれているか、改めて感謝しなければいけないと感じさせてもらえるきっかけになりました。

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花

5.0武家の矜持とその背後にある悲しみ

2025年4月27日
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泣ける

悲しい

知的

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けろ教授

4.0理不尽さに抗する武士と妻

2025年4月21日
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悲しい

知的

たかが弓を傷付けたくらいで切腹は無いだろーと言いたいところだが、将軍の弓と、それを預かる旗本の関係なので、当時としては致し方無いのだろう。泰平の世で緩んでしまった武家社会の内部統制の為の理不尽な沙汰。その中で抗う武士達。切腹させられる本人はもとより、その妻、息子更には奉公人までをも巻き込む理不尽な決定。最初から最後まで丁寧な作りで、緊張感を維持したまま最後に、たった1人残された妻の狂乱で終わる。悲しくも、当時、この様な理不尽に翻弄された武士達が数多くいたのだろう。良い時代劇です。

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Cabe

4.5思わぬご褒美、上映後の舞台挨拶

2025年4月21日
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泣ける

悲しい

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椿六十郎

4.0昨今、物語の中でさえ見なくなった「凛とする」美しさに打たれた。

2025年4月20日
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悲しい

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ふくすけ

4.0物語に望みなくとも観賞しての宝は豊か

2025年4月17日
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たまにこういう救いようのない映画がありますね。物語は最後にはハッピーエンドにならないと興行にならない、という暗黙の了解がただの思い込みにすぎないと気づかされます。

時代が違うから今の価値で考えてはダメなのは当然。なので精一杯追従して『そういう時代なんだ』と受け容れていくのですが、それが無理な箇所があります。とくにしげの自害とか。
そうして溜まっていった消化不良の塊こそが「その時代と精神性」という理解で裡に描かれるのです。時代を越えて時代を理解できました。

これまで武士の精神はたくさん描かれてきましたが、侍の妻を通して描かれた武士の精神は少数派でしょう。この構成による私の気づきは『優しと厳しさは同居しえる』ということです。その対極にあるのは、いつかテレビでみた我が子のお弁当を過剰に彩っておもねる傾向にある現代の母の姿。
この他にも時代が違うからこそ浮き彫りにされる、時代をまたいで輝く生き様の美学が全編にわたって埋まっています。物語に望みなくとも観賞しての宝は豊かです。

骸に添えなかった扇子をみて箍が外れたよし乃の哀しみが、思考をかき混ぜてくれて幕となる。最後の解釈は観客それぞれにゆだねたのかな、と解釈しました。

振り返って一番よかった点が何かを探りますと、俳優さんたちの演技と全体に枠を与えた監督の力でしょうか。身分格差を息遣いの一呼吸ごと、立ち居振る舞いの一挙手一投足、そらには骨身にまで染み込ませた丁寧な演技と映像、それが映像の緊張感となって物語が深く心に入ってきました。

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ピラルク

4.5ちりっと、心に残るやるせなさ

2025年4月16日
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みあさくら

3.0時代劇も日本語字幕がほしい世代

2025年4月13日
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知的

雨の日曜日 桜も散って路肩に模様の頃 昼さがり

しっとり落ち着いてみたくって、評価高いし、山本周五郎の時代が好きなので

期待して新宿武蔵野館行ってみた。

時代劇は 会話が 小声だし 武士言葉は元々聴きとりにくいから、

(侍タイムスリッパー みたいな、明快な分かりやすいコメディ とは違って)

字幕が、ほしいと思った。

ブルーピリオドの「 ごうどん」(千葉真一 息子)ほど、
セリフの聞きとれない奴はいなかったケド。

斜め後ろの白頭のおじさん ひたすら持ち込みお菓子に手を入れる音、噛む音 までまる聞こえ、

おまけに嚥下機能低下してるから 咳ばらいも時々、、。

大事なシーンの会話が かき消されちゃう。

ストーリーはひたすら地味、感動的シーンは 、、、。

頚動脈なら、血しぶき天井 屏風まで 染まったら 、と思ったけど海外出品意識か、

きれいにまとまっていた。

ラストシーン 空は茜色 「陽は落ちる」

こんな春の夜の雨の歩道、 人波の中、ちょっと濡れるのもよいかも。

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しま

4.52時間があっという間!

2025年4月12日
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妻の凛とした態度や言葉など同姓として尊敬する部分が多数あり、自分ならどうするのかという事を考えさせられる作品でした。
また、最後のシーンの良乃が耐えきれず泣いているシーンでは私も涙腺崩壊!

素晴らしい作品に出会えました。

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波乗りサーフィン

5.0良乃役の竹島由夏の武士の妻の演技がとても印象に残りました。

2025年4月10日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

武士の妻の矜持、夫婦愛、友愛を描いた作品だが、とても切なくて何度も泣いてしまった。
江戸幕府の直参旗本で書院番を務める古田久蔵は将軍の弓に傷つけ蟄居の身となってしまう。
蟄居中の久蔵は妻良乃、息子の駒之助と共に過ごしていたが、ついに久蔵に切腹の沙汰がおりる。
動揺する久蔵を武士の妻として潔い最期を迎えさせるべく気丈に振る舞う良乃。
侍タイムスリッパーのように多くの映画館で観られる映画になって欲しい。

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映画好きのジイサマ

5.0女性目線の時代劇

2025年4月9日
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泣ける

興奮

知的

妻の凛とした強さをとても素敵だなと思ったのと穏やかに時間が過ぎて行く分、緊張感を余計に感じました。
感情移入して途中から結構ずっと涙が出ていたので、泣きっぱなしに近かったです。
それぞれが周りの人を大切に思う気持ちがとても伝わってきました。

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k☆

5.0新たな時代劇

@さん
2025年4月8日
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自分だったらどうするか、何ができるのか。
とても考えさせられる作品でした。
また、時代劇での女性側の心情を描写している新しい視点から観れるのもこの作品の魅力的だと感じました。

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@

5.0超超超大傑作

2025年4月8日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

切腹を命じられた武士の妻が主役という、ありそうでなかった視点で物語が進んでいく本作。登場人物全員フィクション的なキャラ立ちが一切なく、等身大の人間として、不条理の中懸命に人生と向き合う姿に強く深く心を打たれました。

静謐かつ重厚感のある作風と緻密な演出に、序盤から涙が止まりませんでした。鑑賞してから4日経ちますが、エンドロール後の余白を想像しては、やるせなさと切なさ、そして自分の人生を自分なりにまっとうしたいという気持ちが湧き続けています。

この作品に今の自分で出会えて良かった。本当に素晴らしかったです。

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牛っち

5.0想像じゃ追い付かない

2025年4月8日
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鑑賞方法:映画館

感情移入して終始涙涙でしたが、実際その立場になってしまったら自分の感じている今の気持ちなんて比じゃないんだろうなと思いました。

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Jc

5.0本格時代劇

2025年4月8日
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鑑賞方法:試写会

泣ける

悲しい

あっという間に終わった感じがします。
竹島さんのお芝居が素晴らしかったです。
あの役を演じるのは、大変だったと思います。
他の俳優さんのお芝居や照明の色あいも素晴らしく、本当の時代劇を感じました。

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ざわちん

5.0古き良き日本映画

2025年4月8日
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泣ける

悲しい

単純

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目黒の龍